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駐車場業界のM&A メリットを売手も買手も享受するためのポイントを解説!

はじめに

コインパーキングを主な収入源とする駐車場業界は、大手企業による寡占化の方向へ少しずつ進んでいます。この業界の新しい潮流としては、カーシェアリングやそのほかの時代にマッチした業態に取り組んでいることです。

寡占化が進むこの業界におけるM&Aの現状や動向はどうなっているのでしょうか。今回は、駐車場業界のM&A事情に詳しい弁護士法人淀屋橋・山上合同東京事務所の弁護士藤田清文さんにお話を伺いました。


1.駐車場業界とは

駐車場

一般的に駐車場といえば、大別して月極駐車場と時間貸駐車場に分かれます。ここでは事業としての駐車場業の事業承継という観点から、現実に即して月極駐車場ではなく時間貸駐車場の業態を取り上げましょう。時間貸駐車場とは一般的に「コインパーキング」と呼ばれます。

(1)コインパーキングについて

コインパーキングは、1台分に仕切られた駐車スペースを一時的に貸すサービスのことを指します。このサービスでは、時間あたりの料金制を敷いているケースが多いです。コインパーキングは、立地がすべてといっても過言ではありません。ユーザーからみれば、立地がよければ使用するもので、逆に立地が悪ければあまり使わないものです。

価格設定も立地と関連しています。このため、この事業を制するにはいかに良い立地を確保するかということが肝要です。よって、コインパーキングの運営会社は、好立地である土地の所有者に営業をかけ、駐車場用地の確保を図ろうとします。

(2)駐車場業界特有の事情

立地に加えて設備や運営管理上で、この業界特有のノウハウがあります。物件探しが重要であるため、不動産会社とのコネクションもこの業界ならではのものです。

ビジネスにおける一連のオペレーションの中で、代金回収は大変な作業です。また、駐車場内でトラブルが起こった際の対応も欠かせません。

(3)駐車場業界の足元の潮流

カーシェアリングなどの時代が求める新しいサービスや、自動車の技術革新などに伴う新しいテクノロジーをビジネスに活用しようという動きが活発になっています。

また、大型ショッピングセンターや総合病院、民間施設、公共施設などの大型施設のパーキング部門を一括受託するようなビジネスも盛んです。このように、駐車場業界は様々な動きが同時進行するといった活性化が起こっている業界でもあります。

2.駐車場業界におけるM&Aの動向

駐車場運営会社がコインパーキング事業で使うための用地確保は、以前は土地の所有者を個別に当たって交渉することが当たり前でした。しかし、昨今では用地確保の意味合いを含むM&Aが導入されています。

なぜなら、好立地を押さえている駐車場運営会社を買収すれば、時間をショートカットして手間もかけずに瞬時に事業規模を拡大できるからです。

傾向としては、主に大手駐車場運営会社が小規模な運営会社を買収する動きがあります。土地の所有者の視点からも、ある程度の知名度がある駐車場運営会社に使われる方が安心です。規模を広げる際にも知名度というものが有効なのです。

3.駐車場業界におけるM&Aの事例

大和ハウス工業は2013年、福岡のパーキング事業を手がけるダイヨシトラストを買収しました。続く2014年に、さらに事業拡大するため、市場の大きな関東・近畿でエリア展開する株式会社トモを買収したのです。

トモは、駐車台数の多い施設系駐車場運営のノウハウを持つ企業です。大和ハウス工業としては、エリアが補完関係にあり、小規模駐車場運営のノウハウを持つダイヨシトラストとトモが一緒になった場合のシナジー効果を狙った買収でした。システム開発の投資効率が高まる効果も見込んだわけです。

これらの買収により、大和ハウスグループは一気に駐車場業界におけるトップテン入りを果たしました。

トモのオーナーにとっては、事業承継問題を解決するために大和ハウスグループ入りを決めたようです。ただし、譲渡後もオーナーは経営陣に残りました。M&A後も経営に関与しながら売却利益を手にすることができた好例といえるでしょう。

4.駐車場業界におけるM&Aのメリット

コインパーキング

ここでは駐車場業界のM&Aにおけるメリットを、買手企業と売手企業それぞれの視点から解説します。

(1)買手企業のメリット

一般的には、規模を広げるために土地の所有者を当たりながら、駐車場をコツコツ増やしてゆくのは時間がかかります。

仮に、ある駐車場運営会社が用地確保の面で、自動車1,000台分の収容能力を確保するまでに3年掛かるのが通常であるとしましょう。すでに1,000台分の収容能力を持つ企業を買収すれば、それが瞬時に手に入るのです。

また、規模を一気に拡大できてスケールメリットが生まれます。銀行や取引先、ユーザーからの信用が増したり、代金回収等のオペレーションコストが下がったりします。規模が大きいとメリットが生まれやすい業態なので、M&Aの効果は顕著です。

(2)売手企業のメリット

それまで小規模でやってきた売手企業にとっては、大規模な企業グループの参加に入ることによって、大手資本の名前によって信用をつけることができます。

また、オーナーにとっては売却益を手に入れることができるのです。ほかには従業員の雇用が保証されることや、その後の採用などを大手企業グループとして行えるので、良い人材を確保しやすくなることもメリットでしょう。

総じて、売手企業としては中長期的に経営が安定しやすくなるといえるでしょう。

5.駐車場業界におけるM&A成功のポイント

駐車場料金を支払う男性

ここからは、駐車場業界の中で行われるM&Aのポイントとなるべき部分を、買手企業と売手企業のそれぞれの視点から解説します。

(1)買手企業にとってのポイント

対象の売手企業が自社グループの傘下に入ることによって、どのようなシナジーがどれだけ生まれるのかを、シミュレーションすることが大切です。例えば、地域的な重複があった方がいいケースもあれば、そうでないケースもあります。

駐車場の土地の所有者との賃借契約状況も、念入りに確認しておくことが必要です。期間はどれくらい残っているのか、何かイレギュラーな条件はないかなどを確認しましょう。特殊な条件があったりすると、経営の安定性が損なわれるおそれもあります。

また、駐車場法にも注意を払うべきです。駐車面積が500平方メートル以上の場合は、行政上の届け出が必要です。また、放置車両は盗難車両の可能性もあるので、慎重に対応することが賢明です。無用なトラブルに巻き込まれるのは得策ではありません。

(2)売手企業にとってのポイント

売手企業は、買手企業の企業風土を慎重に見極めることが必要でしょう。それまでの企業風土とまったく異なっていれば、買収後に従業員のモチベーションの低下を招くおそれが充分に考えられます。

また、通常は買収後に買手企業のブランドを冠した看板に付け替えるのが当たり前です。しかし、もし売手企業自体がその地域で根づいている看板であれば、逆に客離れが起きるおそれもあるので要注意です。

この業界では、自動車何台分に相当するスペースを押さえているかが重要です。また、基本的にキャッシュフローは安定していますが、不動産市況に左右される側面もあります。景況感がよければビルの建設ラッシュが起こって駐車場が確保しづらくなるなど、不動産市況との逆相関も見受けられます。

6.まとめ

駐車場

駐車場業界は、規模が大きくなるとメリットが働き、またブランド効果も出やすいので、M&Aとの親和性が高いといえるでしょう。M&Aで時間と規模を買うのにはぴったりのビジネスです。売手企業にとっても、決してネガティブな売却ではなく、事業の将来にとっての価値が見いだせるでしょう。

売却のタイミングが難しい面もありますが、好立地であれば買手がつきやすいです。事業承継を考える中小規模の駐車場運営会社のオーナーは、前向きなM&Aを検討してみることも有効な選択肢のひとつではないでしょうか。

話者紹介

藤田さん
弁護士法人 淀屋橋・山上合同東京事務所
藤田 清文

東京大学法学部を卒業後、平成9年11月、司法試験に合格。平成11年9月、神戸大学大学院経営学研究科を修了(MBA)。平成12年3月司法修習終了(修習52期)、同4月に弁護士登録。
平成16年6月、弁護士法人淀屋橋・山上合同東京事務所に入所。金融庁検査局に勤務(~平成18年6月)。平成18年7月、株式会社フェリシモ社外監査役に就任。平成20年3月、日土地アセットマネジメント株式会社のコンプライアンス委員会外部委員(現任)に就任。平成21年8月、フィンテックアセットマネジメント株式会社のコンプライアンス委員会特別委員に就任。平成26年5月、株式会社フェリシモの社外取締役(現任)に就任。平成28年6月、いちごグリーンインフラ投資法人の監督役員(現任)に就任。

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