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地方企業の事業承継は何を注意すべき?M&A成功のポイントも解説

2020/12/29
更新日:2020/12/29

はじめに

事業承継は、多くの企業経営者にとって最後の大仕事です。事業を円滑に引き継ぎ、次の世代が会社を成長させていくための準備を進めていくことが求められます。地方で事業承継を成功させるためにはどのような選択肢があり、どのような注意点があるかを知った上で適切に準備をすることが求められます。

そこで今回は、地方での事業承継に精通しておりこれまでに数多くのM&Aを手掛けてきた実績がある「まごころM&Aパートナーズ株式会社」代表取締役の阿比留雅彦さんに、地方での事業承継の現状や成功のためのポイントについて解説していただきました。


1.事業承継を地方企業が成功させるには?

事業承継について説明中

地方にある企業が事業承継を成功させるには、できるだけ早く取り組むことがポイントといえるでしょう。事業承継のタイミングとしては、経営者が60歳から70歳の間が一般的です。それ以前に3年~5年ぐらいかけて準備をするのが理想的です。事業承継に取り組むのが遅くなればなるほど事業承継の難易度は高まります。タイミングとしては65歳を境に事業承継に取り掛かり始める例が多いと思いますが、その決断ができていないまま70歳を超えていくケースが多いのが現状です。

あまり経営者が高齢まで経営をしていると、後継者となる親族も年齢を重ねており、生活の基盤を変更しにくくなります。また、事前に継がせるかどうかを明言しないままではマインドセットができず、いざ承継しようとしたタイミングで継がない可能性も出てきます。したがって、できるだけ早くから事業承継の準備を進めていくことが大切です。

後継者候補がおらず、M&Aによって事業承継を行う場合にも早めの準備が必要です。事業承継には5年はかかるといわれています。企業をより高く売却するために計画的に取り組むのと、事業承継の相手がいないとわかって慌ててM&Aを行うのでは結果は大きく変わってきます。まずは、後継者と目する相手の事業承継の意欲を確認するなど、できる範囲から事業承継の準備に取りかかっていきましょう。

2.事業承継を望む地方企業が取るべき選択肢

選択肢を示すデータ

地方で事業承継を考えている場合、どのような選択ができるでしょうか。ここでは事業承継を望む企業が取るべき選択肢について解説していきます。

(1)親族内承継

地方の事業承継で最もポピュラーなのが親族内承継です。特に親から息子や娘に会社を継がせる親子承継のケースが大半です。子がいない場合や子に継ぐ意思がない場合には、その他の親族に承継します。親族内承継は血縁関係に由来する承継なので意思決定がスムーズで周囲からの反感が少ない一方、感情面での対立が発生しやすく、親族関係にビジネス要素が加わることで関係が悪化するリスクも考えられます。

(2)MBO

親族内承継を行わない場合に取るべき選択肢としてMBOも考えられます。MBOとは「マネジメント・バイアウト」の略で、社員などの事業承継者が株主から自社株式を譲り受けたり、事業譲渡されたりすることでオーナー経営者として独立する行為です。中小企業でのMBOは生え抜きの古参社員や役員を相手に行われることが多く、昔の言葉でいえば番頭さんに経営権を譲ることです。しかし相手によっては本人が経営者になるリスクを負うのを嫌がり、社内外からの反発を受ける場合があるので簡単には進みません。

(3)M&A

親族や社員の中から経営者を見つけられない場合には、M&Aによって事業承継を行うのも選択肢のひとつです。M&Aによる事業承継のニーズは後継者不在の企業ほど高く、近年はM&Aの仲介を専門にしている企業も増えています。

3.地方におけるM&A市場の動向と課題

地方のM&Aについて説明

M&A・事業承継を検討している方へ

当社では買手企業だけでなく、「M&A仲介会社」とのマッチングも可能です。
今すぐにM&Aをご検討されていなくても大丈夫です。お気軽にご相談ください。

地方におけるM&A市場の動向と課題にはどのようなものがあるでしょうか。ここでは地方のM&A市場に関する動向や課題について解説していきましょう。

(1)経営者の高齢化が進んでいる

中小企業庁の「中小企業白書」によると経営者の高齢化が進んでいます。経営者年齢のピークは1995年が47歳であったのに対して2015年には66歳となりました。20年で19歳も増加しており、2020年には70代の経営者が最も多いことが推察できます。

60歳から70歳で事業承継するのが一般的だと紹介しましたが、日本の企業経営者の多くが引退時期を迎えたまま経営を続けているのが現状です。後継者探しは高齢になるほど難しく、60歳以上の経営者の48.7%が後継者不在のまま経営を続けており、後継者問題は日本の企業の抱える大きな課題といえます。

特に地方では親族による事業承継ができなければM&Aによる承継が不可欠です。加齢によって様々な交渉や手続きを行う気力がなくなる前に事業承継に着手することが重要といえるでしょう。

参考URL:厚生労働省「中小企業白書(平成30年)」

(2)2025年問題によって事業承継が困難になる

マクロ的に見ると日本社会は2025年問題を迎えます。2025年問題とは、2025年に団塊の世代が75歳の後期高齢者となり、日本が超高齢化社会に入る問題です。2025年には日本の人口の4人に1人にあたる約2,200万人が後期高齢者という世界的に類をみない超高齢化社会に突入します。企業をスムーズに承継する場合には、事業承継の仕組みを今から作っておかないと全国127万人の経営者が後継者不在で75歳を迎えてしまいます。

これまで、年商3億以下や年商10億以下の中小企業のM&AをサポートできるM&A仲介会社は少なかったのですが、事業承継のニーズが高まるにつれM&A専門の仲介会社も増えており、規模に関わらずM&Aの仲介サービスを受けられるようになりました。企業がスムーズに事業承継するためには5年は必要と言われているので、2020年の今から事業承継に取り組むべきといえるでしょう。

参考URL:厚生労働省「今後の高齢化の進展~2025年の超高齢社会像~ 」

4.地方におけるM&Aの注意点は?

注意点を解説

地方においてM&Aを進める場合、どのような事に気をつける必要があるでしょうか。ここでは地方でM&Aを行う場合の注意点について紹介していきます。

(1)情報の流出に注意する

地方はマーケットやコミュニティが小さいので、M&Aだけでなく様々な情報が回りやすい環境です。経営者が高齢なのに後継者が定まっていないと「あの会社は後継者が居るのだろうか?」と周囲から好奇の目で見られるのはよくある事です。それ以外にも色々な噂が飛び交いやすいため、安易にM&Aの情報が地域に流出しないように配慮しましょう。

地方は取引先が限られている場合があり、後継者問題が取引に影響する可能性もあります。

(2)地元の人間関係に配慮する

M&Aを検討している場合、地元の同業他社が売却先となる可能性があります。小さなマーケットだと企業間のパワーバランスが変わる可能性があり、波風が立ちやすいので注意が必要です。また、同業者の会合などで出る「引退したらウチが事業を引き継ぐよ」といった話題をどう捉えるか、いざ会社を探すときに声をかけた方が良いかなど地元での人間関係に配慮する必要があります。

地域内での人間関係の悪化を憂慮するのであれば、全く他の地域の同業者に任せた方が良い場合があります。地方でM&Aを進める場合には、状況をしっかりとヒアリングして誰に依頼するか注意深く検討する必要があるでしょう。

5.地方におけるM&A 3つのポイント

ポイントを紹介

地方でM&Aを成功させる場合、どのようなポイントに気をつけると良いでしょうか。ここでは大きく3つのポイントについて解説していきましょう。

(1)士業・金融機関だけでなくM&A仲介会社の利用を検討する

地方で企業の売却を考えている場合、多くの経営者が相談相手や仲介の依頼先として士業か金融機関を思い浮かべます。特に高齢の経営者になるほどこの傾向は顕著です。しかし、近年はM&A仲介の専門会社が増えてきており、士業や金融機関がM&Aにおける最大の選択肢ではない時代になっています。

士業や金融機関には本業があり、M&Aの相談や仲介は専門ではありません。専門外の組織に任せるよりも、M&A仲介を専業としている会社に依頼した方がスムーズにマッチングするでしょう。M&A専業の会社の強みは情報力やM&A候補者を見つけるためのデータベースや、条件交渉をまとめて案件を進める力があることです。M&Aによって事業承継を進めていくのであればM&A仲介会社の利用を検討してみると良いでしょう。

(2)実力のあるM&A仲介会社を選ぶ

M&Aによる事業承継が成功するかどうかはM&A仲介会社にかかっているといっても過言ではありません。それほど仲介会社選びは重要で、M&Aの成功を左右する存在であるといえます。実力のあるM&A仲介会社を選ぶ方法は、M&Aを打診した際に具体的な売却プロセスやスケジュール、買手の候補を早期に提示してくれるかどうかで見分けられます。多くのM&A案件を保有しているM&A仲介会社であればM&Aの購入希望者の登録も多く、条件交渉のノウハウも豊富なことからマッチングが期待できるでしょう。

また、売手と買手それぞれにM&A仲介会社が入っている場合、お互いの会社の力量によってM&Aの結果が変わってくることもあります。M&A仲介会社のスピード感も大事で、どちらかのスピードが遅いと案件が滞るばかりかM&A自体が破談になってしまう可能性もあります。

(3)売却後を見据えたM&Aを心がける

地方でM&Aを進める場合のポイントは、事実を踏まえてどこが一番納得できる状況なのか、そこをうまくまとめられる会社を選ぶことでしょう。売手買手企業だけではなく、取引先や従業員まで目配りできることが大切です。

6.まとめ

交渉成立

これまで解説してきたように、地方で事業承継を行う場合には早めに後継者探しをスタートすることが大切です。地方でも親族に後継者がいない場合にはM&Aによって事業承継をおこなうケースが増えてきました。M&Aをおこなう場合には、士業や金融機関だけでなくM&Aを専門としているM&A仲介会社も依頼先に加えるのがポイントです。M&A仲介会社は企業の状況をしっかりとヒアリングし、多くの候補者の中から最も会う売却先を選択してくれます。

地方では、自社の状況だけでなく同業他社とのバランスも重要です。そのバランスや人間関係に配慮し、うまくまとめられる相手をM&A仲介会社に選ぶと売却が成功します。その際には買手企業だけでなく、取引先や従業員まで目配りできることが大切です。
事業承継について考えるうえでM&Aは有効な手段の一つです。必要であればM&A仲介会社のサポートを受けながら、スムーズに事業承継や事業整理を進めていきましょう。

〈話者紹介〉

阿比留雅彦さん

まごころM&Aパートナーズ株式会社
代表取締役 阿比留雅彦(あびる まさひこ)

福岡県立修猷館高校、西南学院大学卒業後、観葉植物リース業を創業して 3年後に譲渡。
不動産業金融業を経験し、 1995年、パーク24株式会社に入社。
駐車場問題に取り組む。営業拠点の立ち上げと新規事業開発を担当。
2009年、プレミア株式会社を設立。
このころから後継者問題を意識してセミナー書籍などで知識を習得。
またM&A取引に無償で携わり、 M&Aの現場経験を積む。
2014年、プレミアを譲渡し、まごころM&Aパートナーズ株式会社設立に参画。
2015年に株式を100%取得し、代表取締役に就任。
年商3億以下の案件に積極的に取り組み、100件を超える相談実績をベースにビジネスの承継システム「つながリンクル」をスタートしている。

ご相談・着手金は無料です

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