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自動車修理業M&Aの業界動向は?M&Aにおいて重要なポイントを解説

はじめに

自動車修理業は自動車業界の中でも車のメンテナンスや車検などを担当する顧客との付き合いの長い業種です。自動車修理業は独特のビジネスモデルなので、M&Aによって事業承継するためにはどのような点に注意すべきかを理解しておかなければ、事業承継はスムーズに進んでいきません。同様に、自動車修理業を買収する場合にも業界の特徴や買収を成功させるポイントについて理解しておく必要があります。

そこで今回は、中小・小規模企業の事業承継に精通しておりこれまでに数多くのM&Aを手掛けてきた実績がある株式会社フォーバルの山田健一さんに、自動車修理業での事業承継の現状や成功のためのポイントについて解説していただきました。


1.自動車修理業と今後の業界動向を解説

修理工場

まずは、自動車修理業の業界動向について解説していきましょう。

(1)自動車修理業とは

自動車修理業とは、文字通り自動車の修理をおこなう業種で、自動車整備業とも呼ばれます。自動車の整備工場には「認証工場」と「指定工場」の2種類があり、この2つの工場を総称して自動車修理業(整備業)と呼んでいます。

自動車修理業は「アフターマーケット」と呼ばれる市場に分類され、自動車をユーザーが購入した後のフォローを担当する業種です。アフターマーケットには「車検整備」「車販」「保険」の3つのビジネスがあり、どの自動車修理業者も主にこの3つのサービスを提供することで収益をあげています。

集客方法は独自に顧客を集める方法と、カーディーラーで対応できない修理を請け負う方法があります。

集客においては個人の顧客の修理だけでなく、法人の社用車の修理や車検整備を一括して行います。

また、カーディーラーではオイル交換やカーナビの取り付けといった簡単な整備は可能ですが、鈑金や塗装、事故車といった大規模な修理には対応していません。そこで外部の協力会社として大規模な修理を請け負うことでビジネスを成立させていきます。

(2)指定工場と認証工場

自動車修理業のM&Aをおこなう上で理解する必要があるのが指定工場と認証工場の違いです。両者の違いは「車検整備を自社で完結できるか」という点で、指定工場は自社で車検整備を完結させられます。しかし認証工場で整備した車の車検証を発行するためには陸運局に自分たちのトラックで積んで整備した車を持っていき、検査を受けて車検証を発行してもらう必要があります。

当然、自社内で車検を完結できるとのわざわざ車で陸運局まで検査を受けに行くのではコストの面で大きな違いがあります。従って、指定工場の方がM&A市場においては魅力的であるといえるでしょう。

(3)業界動向

自動車整備は法律で定期検査が義務づけられている以上、無くなることはありません。そのため、 特に法人車両のメンテナンスを請け負っている会社は法人活動が停滞したことで需要がなくなり減収が見込まれるなど、抱えている顧客によっては大きな影響を受けている場合もあります。

前述のとおり車のアフターマーケットには車販、車検整備、保険がビジネス領域です。いずれも定期的に顧客と接点を持ち収益が発生するため、どれだけ多く顧客から車検や保険の依頼を受けるかで今後の成長が決まります。

今後は電気自動車の普及や自動運転技術・自動ブレーキなど先進技術を搭載した車両が増えていくため、これらの技術に対応していない整備工場では自動車修理や整備ができなくなってしまうでしょう。事業を継続させていくためには新たな技術を習得していくことが求められていきます。

2.自動車修理業 M&Aの特徴 

洗車中の車

続いて、自動車修理業のM&Aの特徴について紹介していきましょう。

(1)M&Aで人気なのは「指定工場」を持つ会社

自動車修理業のM&Aが成立しやすいのは「指定工場」です。それも、ある程度の規模があるほうが人気です。近年は整備士の人手不足から、M&Aによって自動車整備士の資格保有者をまとめて雇用したいと考える会社も増えてきました。ですから、整備士の人数によって人気が変動するといっても過言ではありません。

一方、認証工場で規模の小さい会社は買手からもあまり魅力ではないため譲渡が難しいケースが多いです。ただし損害保険や自賠責保険などの保険契約がある場合には、保険契約の顧客リストの取得を目的としたM&Aは成立する場合があります。

(2)従業員の雇用を維持できるかが重要

自動車修理業のM&Aを成功させるポイントは「従業員の雇用の維持」です。会社を譲渡する経営者はM&Aをして自分が経営から身を引いても従業員の雇用を守れるかどうかを重視します。特に若い整備士が在籍している場合には、その整備士の雇用をしっかりと守ってくれるかどうかで買手を決定します。特に人気のある売上2億〜3億の会社は社員数が10人〜20人規模なので、これだけの人数の雇用を維持できる会社に譲渡する傾向があります。譲渡相手は基本的に資本力のある会社であり、安定してビジネスを行なっている会社であるかがポイントとなります。

また、売手は買手を選定する際に近隣のエリアを避けて遠方の会社を選ぶ傾向にあります。近隣の会社に譲渡を打診すると話が広がってしまい、その話が自社の社員にも広まって譲渡成立前に離職を招いてしまう可能性があります。特に自動車検査員や自動車整備士の資格保有者が離職してしまうとM&Aそのものが成立しなくなる可能性があります。基本的には面の拡大を狙っている別地域の同業者への譲渡を検討するのもポイントといえるでしょう。

3.自動車修理業のM&Aにはどういうメリットがある?

修理するエンジニア

自動車修理業をM&Aするメリットにはどのような点があげられるでしょうか。ここでは自動車修理業に参入する2つのメリットについて解説していきましょう。

(1)長期間にわたり顧客と接点のある会社をM&Aできる

自動車修理業は長期にわたって顧客と接点を持てる業界です。接点の限られる個人の顧客でも車検によって2〜3年に一度は必ず接点を持ちます。このように顧客と定期的に接点が持てるビジネスは、特に保険会社のようにビジネスのライフサイクルが長い業界にとっては魅力的です。近年の保険会社は新規顧客の開拓に苦労している会社も多いため、自動車修理会社をM&Aをすることで顧客リストの入手を目指す場合があります。

保険会社の中でも特に自動車の損害保険を取り扱っている会社は自動車修理業と相性がよく、事故があった後の修理やフォローがスムーズにできます。車の修理や車検のタイミングで保険を販売し、車の買い替えなど顧客のライフステージに合わせた保険を販売できるチャンスが広がります。このように車というライフサイクルの長い製品を通して長期間にわたり顧客と接点を持つ点に魅力を感じてM&Aが行われるケースもあります。

(2)新規に自動車業界に参入するための足がかりになる

異業種から自動車業界に進出する場合、中古車販売や自動車修理に参入するのが一般的です。中古車販売業に参入する場合、中古車を仕入れる先行投資が必要ですが、自動車修理業の場合は工場を借りて予備の部品など購入すると開業できるため、中古車販売業に比べて初期投資がかからないのが特徴です。

異業種から自動車業界に参入する場合には、自動車修理会社を買収して顧客を獲得し、自動車業界のノウハウを蓄積しながら顧客の買い替え需要に対応することで販売業にも進出していくのが成長のプロセスといえます。新規に自動車産業に参入する場合には比較的参入しやすい業界なので、異業種の会社にとってはM&Aのメリットは大きいといえるでしょう。

4.大手ガソリン会社が自動車修理業をM&Aした事例

修理用ガレージ

自動車修理業で実際にM&Aが成立した事例について、どのような背景があったのかを含めて紹介していきます。売手は都内で車の販売と車検整備を行なっていた売上4〜5億円程度の会社の経営者です。後継者が見つからず、M&Aによって事業承継先を見つけたいという譲渡ニーズがありました。

買手はガソリンスタンドを複数展開している大手ガソリン会社です。買収の背景には近隣に複数のガソリンスタンドがあり車検サービスも行なっていました。しかし、所有している工場が認証工場のため、自社で車検を完結できません。車検整備はできても車検証の発行のために遠方の陸運局までトラックで運ぶ必要があり、トラックの輸送コストや顧客からの預かり期間が長くなるなどのボトルネックがありました。売手がちょうど各ガソリンスタンドから車を運びやすい立地だったことから、車検を自社で完結できるスキームが構築できるということで買収が決まりました。

このように、売手・買手の双方のニーズを満たしてM&Aを成立させることが可能です。M&Aは事業承継の問題やビジネスの効率化を一挙に成し遂げる有効な方法であるといえるでしょう。

5.自動車修理業 M&Aの重要なポイント

ジャッキに載った車

自動車修理業のM&Aにおける重要なポイントについて紹介していきましょう。

(1)整備士との関係性を維持できるか

自動車修理業をM&Aをする目的のひとつに、整備士の持つ技術があります。つまり「人」がM&Aにおける重要な要素です。売手の整備士がどんな人なのか、買収後も残ってくれるのか、新たな経営者の考え方についてきてくれるか。こういった整備士との関係性を維持できるかどうかを判断するのが最も大きなポイントです。

特に新たな経営者からこれまでと違うやり方を示されたときに受け入れてもらえるかどうかが重要です。例えば、これまでは1日あたりの修理台数の目標が設定されていなかったのに、買収後、修理台数の目標を設定されることに反発して辞めてしまうというケースは珍しくありません。整備士は売手市場で、整備士達も転職先に困ることがないことを理解しています。M&Aをしてすぐに新たなやり方を押し付けるのではなく、じっくりと考え方や方針を統合していくことが大切です。

また、それぞれの会社における整備士の年齢バランスも考慮しましょう。自社に高齢の整備士が多く、売手にも多いのであればすぐに新たな整備士の採用に乗り出す必要が出てきます。一方で、どちらかの会社に若い整備士が多いのであれば年齢バランスを考慮した人員の配置が可能となります。買手と売手の年齢面でのバランスも考慮しておくと良いでしょう。

(2)設備が適切で工場の更新や譲渡時に問題がないか

自動車修理業の売上はリフトが何基あるか、自動車検査員や整備士が何人いるかによってキャパシティが決まっています。リフトや検査員、整備士が多いほど同時に修理できる車の数は多くなり、売上を多く見込めます。買手にとってはリフトや人員を見ることで大まかな売上や利益の予想が可能となります。

また多くの自動車修理工場は大通りなどのロードサイドに面していますが、所有している工場が再建築可能かも確認しておきましょう。高度成長期に「都市計画法」が制定されましたが、この法律の制定や過去の区画整理事業によって建設や存続が認められた建物でも、現在の法制化では建て替えが認められない建物である可能性があります。これを「再建築不可」といいますが、買収予定の建物が再建築不可の場合は将来の更新に対応できない可能性があるため注意してください。

建物だけでなく土壌にも注意が必要です。昔からある整備工場の場合、オイル交換時のオイルが土壌に漏れている可能性があります。土壌の調査をしておかないと、将来的に購入した工場を閉鎖する際に土壌汚染の対策が求められ、汚染土の処分や新たな土の入れ替えに億単位の費用が発生する場合があります。

建物や土壌の調査をしておかないと後々トラブルが発生する可能性があります。買収前に設備や建物、土壌については確実に実施しておきましょう。

(3)OBD検査に対応できる拡張性があるか

電気自動車や先端技術を搭載した自動車が増えたため、車検整備の内容も変化しつつあります。2024年10月から始まるOBD検査(OBD車検)ではこれまでと異なる検査方法が求められるようになります。

OBDとは「On-Board Diagnostics」の略で、「車載式故障診断装置」と呼ばれる電子装置に専用のスキャンツール(外部診断機)を接続すると記録された車の不具合を読み取ることが可能な検査方法です。

また増加している自動ブレーキの検査も車検内容に追加されるため、実際に車を走らせて止まるか確認するためのスペースも必要となります。これまでのリフトと整備士だけでなく、試験走行が可能なスペースも必要となるため、物理的にそのようなスペースが確保できるかもポイントです。

このように、新しい車検方法に対応できる拡張性があるかどうかも確認しておきましょう。

自動車修理業の事業承継を考えている場合、指定工場の免許があれば買手がつくという時代は終わりを迎えつつあり、試験走行用のスペースがないと車検を実施するのもM&Aによって譲渡するのも難しくなっていきます。特に譲渡を検討している場合には早めに動き出す方が譲渡の成功率は高まるでしょう。

6.まとめ

修理が完了した車

今回は自動車修理業のM&Aについて解説してきました。指定工場を保有している会社はM&Aが成功する可能性は比較的大きいですが、設備や建物が古い場合やOBD車検に対応したスペースが確保できない場合には今後譲渡が難しくなっていきます。また認証工場の場合は指定工場以上に譲渡が難しいため、異業種も含めて幅広い譲渡先を見つける必要があります。

M&Aによって事業エリアを広げる場合や、自動車産業に参入する場合にも業界独自の事情やポイントを押さえておかないとM&A後の事業に失敗してしまう可能性があるため慎重に進める必要があります。

 

M&Aをおこなう場合には様々な購入・譲渡希望者とのネットワークがあるM&A専門の仲介会社に依頼するのがポイントです。M&A仲介会社は現状をヒアリングし、多くの候補者の中から双方のニーズに会う譲渡先を選択してくれます。

 

自動車修理業は自動車整備士の資格保有者をいかに繋ぎ止めることができるかがM&Aの最大のポイントとなります。M&Aだけでなく、成立後の統合をスムーズに進めてくれるM&A仲介会社に選ぶことでM&Aが成功しやすくなります。特に初めてM&Aを行う場合には専門のM&A仲介会社にコンタクトを取り、どのようなプロセスでM&Aを進めていくと良いかを相談しながら進めていくと良いでしょう。

 

〈話者紹介〉

山田さま

株式会社フォーバル
事業承継支援部
部長 山田健一

大手インターネット通販会社にてマーケティング業務を経て、大手M&Aアドバイザリー会社にて上場企業の経営戦略立案や数多くのM&Aを支援。その後、小規模企業の事業承継支援のため、2016年に(株)フォーバルの事業承継支援事業立上げに参画。日刊自動車新聞、日経トップリーダーなどで多数コラム執筆の実績あり。

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