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廃業にかかる費用はいくら?必要な手続きとM&Aを検討すべき事例も紹介

はじめに

日本政策金融公庫総合研究所が2019年に行った調査によると、中小企業のうち、自分の代で事業をやめる予定の廃業予定企業は52.6%を数えました。これは、2015年に行われた前回調査より2.6ポイントも上昇しており、日本の中小企業の半数以上が廃業を予定しているということです。廃業する中小企業は年を追って増えていくものと考えられています。

廃業を予定している中小企業の経営者の多くは、自身にとってはじめての廃業でしょう。そのため、廃業にかかる費用や手続きがわからない方も多いのではないでしょうか。中小企業の廃業やM&Aに詳しい、金馬会計事務所の金馬直紀さんにお話を伺いました。


1.廃業と倒産、破産は何が違う?

廃業と似たようなイメージを持たれがちで混同されやすい言葉に、倒産と破産があります。しかし、廃業と倒産、破産とでは全く意味が違います。

(1)廃業

廃業は、自主的な意思で事業をやめることを指します。経営が立ち行かなくなって廃業する場合が最も多いですが、後継者不足による廃業も年々増えてきています。

日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、中小企業のうち、後継者が決定している会社はわずか12.5%に留まります。残りの90%近い企業は、経営者が引退するまでに後継者が見つからない場合は、廃業かM&Aといった手法を取らざるを得なくなります。後継者不足による廃業の場合は、資金的には事業活動を続けようと思えば、続けられる会社も少なくありません。

(2)倒産

一方、経営状態の悪化によって、支払わなければならない資金を支払えない状態になった場合を倒産と言います。

法的な倒産手続きをとっていないけれども経済的に破たんし、倒産状態にある場合を「事実上の倒産」と呼ぶことがあります。資金不足によって支払不能な不渡り手形を2回出してしまうと、銀行との取引が停止されてしまいます。こういった状況に陥ってしまうと、資金繰りのさらなる悪化や信用の低下により事業継続が難しくなり、事実上の倒産となります。

なお、倒産手続き中の会社であってもスポンサー企業が買収することによって事業を継続させることは可能です。

(3)破産

破産とは、倒産状態に陥った企業が手続きを取る必要がある法的制度です。「破産法」という法律によって規定され、破産企業には裁判所から任命された破産管財人が破産した企業の財産を処分し、それによって得た金銭を債権者に対して弁済します。こうした破産手続きが終了すると、法人格は消滅します。

2.廃業の際に必要な手続き

手続きイメージ
廃業をするには、法的な手続きを取らなければなりません。ここでは、企業を廃業する際に必要な手続きをお伝えします。

(1)株主総会で3分の2以上の承認を得る

法的な解散手続きを取るには、まず株主総会を開き、半数以上の株主が出席した上で、3分の2以上の承認を得る必要があります。この際に、会社の財産を整理する清算人を株主総会で選出しなければなりませんが、代表取締役が清算人になることが一般的です。

(2)解散決議から2週間以内に解散登記と清算人選任登記

株主総会での解散決議から2週間以内に、法務局に解散登記と清算人の選任登記を行わなければなりません。2週間以内の登記は会社法によって定められているもので、違反した場合は過料される可能性もあります。

さらに、税務署や年金事務所、労働基準監督署といった機関にも、廃業の届出などの各種書類の提出が必要です。

(3)清算人による財産目録・貸借対象表の作成および承認

清算人は、就任後遅滞なく清算会社の財産の状況を調査し、解散が生じた日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければいけません。そしてそれらの書類は株主総会に提出してその承認を受けなければいけません。会社の財務状態を株主に開示し、残余財産額を予測するための情報を提供する必要があるからです。

(4)官報に解散公告をする

官報への解散公告は会社法499条で規定されています。債権者が異議を申し出る機会を与えるために、清算人は官報にて解散を公告し、個別に連絡できる債権者に対してはその旨を通知します。なお、解散公告は2ヶ月以上掲載しなければなりません。この手続を通して、債権者の保護を図るとともに、清算人は清算会社の債務を確定させることが可能となります。

(5)解散時点での決算書類を作成し、解散確定申告を実施する

解散時点での決算書類を作成し、解散確定申告を行わなければなりません。解散確定申告は基本的には通常の確定申告書と同じ書類を使用しますが、申告内容は異なる箇所があるため、税理士や税務署に相談しながら慎重に進める必要があります。

(6)清算人による残余財産の確定および分配

清算人は会社の財産を調査して、現時点で会社の財産がいくらあるのかを算出し、清算します。財産はまず、残っている債務の弁済にあて、残余財産があれば株主に分配します。
なお、資産が債務に対してマイナス状態である債務超過の会社の場合、通常の清算による廃業はできません。この場合は、特別清算もしくは破産の手続きを取らなければなりませんので、注意してください。

(7)清算確定申告の実施

清算人による残余財産の確定および分配が完了したら、税務署へ清算確定申告書を提出します。解散確定申告と同様に、通常の確定申告と同じ書類を使用しますが、申告内容は異なる部分があるので注意しておかなければなりません。特に資産超過と債務超過の場合とでは申告内容に違いが出るので、税理士や税務署と相談しながら慎重に進めていく必要があります。

(8)株主総会で清算決算報告書の承認を得て、法務局に清算結了登記をする

清算が結了したら、株主総会で清算決算報告書の承認を得ます。承認から2週間以内に、法務局にて清算結了登記をしてください。清算結了登記をすると法人登記登録が閉鎖されます。

3.登記や法手続きにかかる費用は

費用計算のイメージ
次に、廃業の際に必要な登記や法手続きにかかる費用について見ていきましょう。

(1)登記にかかる費用

解散登記と清算人登記は同じタイミングで登記をしますが、合わせて3万9,000円の登録免許税がかかります。内訳は、解散登記にかかる登録免許税が3万円で、清算人登記にかかる登録免許税が9,000円です。

さらに、決算結了時には決算結了登記も必要ですが、これには2,000円の登録免許税がかかります。

(2)官報公告にかかる費用

債権者に速やかに会社の廃業を伝えるために、官報公告をする必要があります。官報は公告の行数によって費用が異なりますが、廃業の公告は4万円ほどが一般的です。

(3)専門家に依頼する費用

登記や官報にかかる費用のほかに、司法書士や税理士といった専門家に依頼する費用も考えておかなければなりません。会社を廃業すると簡単に言っても、煩雑な手続きが必要で、税金の取り扱いなど専門的な知識が必要です。瑕疵なく廃業手続きを行うためには、専門家に依頼することをおすすめします。費用は会社の規模・業種によって様々ですが、司法書士にて10万円~20万円、税理士にて10万円~数十万円程度は見込んでおいた方が良いでしょう。

4.一度は考えてみるべきM&Aという手法

M&Aイメージ
事業はうまく行っているけれど、後継者が不在なため廃業を考えている会社の場合、一度はM&Aを検討してみるべきです。なぜなら、廃業で得られる残余財産より、M&Aによる譲渡対価が高くなるケースがあるからです。

(1)M&Aは廃業より在庫が高く評価されやすい

廃業によって、商品の在庫がある場合、廃業よりM&Aを検討することをおすすめします。なぜなら、商品は事業の中で売ってこそ価値があるものだからです。廃業をして清算手続きの中で在庫を売る場合、通常の価格より安く原価割れの、いわゆる処分価格で売らなければならないケースが多くなります。

一方、事業を通してその在庫を売りたい企業がM&Aによって在庫ごと会社を買ってくれた場合、適切な価格で買ってくれることが多くなります。在庫を多く抱えている会社にとっては、在庫が大きな価値になる可能性があるわけです。

(2)設備の処分費用にも注目すべき

事業で使っていた設備には、処分費用がかかることも考慮に入れなければなりません。中古品としての流通市場がある設備であれば、売却することも可能でしょう。

しかし、流通市場がない設備や他の事業では使えないような汎用性のない設備であれば、売却することができないばかりか、処分するのに費用が必要です。

設備の流用が可能な同業他社に買収してもらえた場合、廃業した場合は処分費用が必要だった設備に、資産価値が付く可能性もあるでしょう。

(3)早い段階で専門家への相談が重要

廃業よりもM&Aを検討すべき会社があるとは言っても、業績が悪化している時や後継者が見つからなくて悲観的になっている状況では、なかなかM&Aに考えを切り替えられない場合も多いでしょう。また、M&Aの存在を知らない方もいるのではないでしょうか。

ぜひ廃業を決断する前に、M&Aの可能性についても、顧問弁護士や税理士、商工会議所などに一度相談してみてください。新たな道が拓ける可能性が出てくるかもしれません。

〈話者紹介〉

金馬さん
金馬 直紀(こんま なおき)
THINKWELL株式会社 代表取締役
金馬会計事務所 代表

公認会計士、税理士
兵庫県神戸市出身、大阪市立大学(経済学部)卒業。公認会計士試験合格後、EY新日本有限責任監査法人にて上場企業・金融機関・各種法人等の監査業務に携わる。
その後、EY新日本有限責任監査法人のFAS部門(現EYトランザクション・アドバイザリー・サービス㈱)にてM&Aアドバイザリー業務、事業再生支援業務に携わり、財務デューデリジェンス、企業価値評価業務、事業計画策定支援業務等に従事。
2016年に金馬会計事務所およびTHINKWELL株式会社を設立。様々な会社の財務DD、企業価値評価、事業計画策定、税務業務を行ってきた経験を活かし、M&Aや事業承継のサポートを手掛ける。

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