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廃業決断の理由やタイミングとリスク、M&Aという選択肢を専門家が3分で解説

1.経営者が廃業を決断する理由とは?

経営者が廃業を決断する理由はさまざまです。日本政策金融公庫総合研究所の「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」によれば、将来の廃業を予定している経営者は、全体の約半数もあります。そのうちの約3割が法人で約7割が個人経営です。

そして廃業を決断する理由は、当初から自分の代で事業をやめようと考えている経営者が最も多くて4割弱で、事業に将来性を感じないからというものが3割弱になります。

そのほかには、自分の子どもが事業を継ぐ意志がない、子ども自体がいない、身内の内外で後継者がいないというものがそれぞれ1割前後です。つまり、後継者がいないという理由が約3割となります。

また、廃業や事業承継以前の問題である、経営者が引退を決断する理由として最も多いのは、年齢や健康上の問題で、次いで経営状態の悪化です。

グラフ

図の通り、廃業を考える経営者の約3割は、引き継いでくれる人さえいれば事業を継続させたいと考えています。

経営者に子どもがいたとしても、すでに別で家庭を築いている子どもを引き戻すのは現実的ではありません。また、信頼できる従業員も経営者として会社を任せるのは難しいと判断されることも多く、さらにいえば連帯保証を継ぐことも大きい課題です。

第三者によるM&Aという選択肢も認知されつつるものの、まだまだこれからという状況の中、廃業を選択するしかない経営者が多いのです。

2.経営者が廃業を決断するタイミング

廃業決断の理由については先に確認したものが主になりますが、ここからはその決断のタイミングについて触れておきましょう。

(1)経営状態の悪化

みずほ情報総研の調査によると、「経営者引退決断前3年間の売上高の傾向」は、廃業した企業の約7割が3年間を通して減収傾向です。一方、事業承継した経営者の場合、減収傾向は2割程度にとどまっており、横ばいと増加で8割程度を占めています。

廃業する時点においては多くの企業が二期連続赤字で、直前の経営不振も含めると2/3以上に経営状態の悪化が見られるのです。これが、多くの場合に廃業のトリガーを引き、廃業を決断するタイミングとなるのは間違いないでしょう。

(2)借入ができなかったとき

廃業に至る経営者の顕著な傾向として、借入をしなくなるということがあります。借りても自分の代で返しきれないと考えるからです。そのため、借りてまで積極的な事業投資をしないので収益も伸び悩み、利益も上がりません。また、廃業を予定していない経営者の場合でも、借入をしないでいると消極的な経営になり、結果的に廃業を決断せざるを得ないタイミングを引き寄せる流れに入ってしまう可能性があるといえるでしょう。

(3)廃業の基準を事前に設定

あらゆるビジネスにいえることですが、事業の継続を断念するときの判断基準というものがあります。たとえば、3年やってみて投資した金額を回収できなければやめる、という判断基準もあるでしょう。計画が連続で未達成になる、数期連続で赤字経営になるなどの判断基準もあります。

大企業が経営継続の基準となる指標を満たさなかったときに整理することと同じです。大企業であっても中小企業であっても、前もって判断基準を厳格に定めているからこそ決断できるといえます。

この判断基準を決めずに経営を続けて行くと、いずれ売上が減少して赤字に転落し、債務超過(資産よりも負債が上回る経営状態)に陥っていくことになりかねません。

たとえば、純資産で5,000万円を切ったらやめよう、手元の現金が2,000万円を下回って翌月の固定費も払えなくなるなら決断しようなど、財務の状態を判断基準にする場合も多いです。

ほかにも、家族を判断基準にしている場合もあり、子どもが成長してお金がかからなくなったらやめる、創業者である先代が存命中は継続していたけれども亡くなったからやめるという判断基準もあります。

3.廃業のリスク

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廃業しようと考えていたものの、整理していくと資産が少なくて借入金が完済できなくなることがあります。すべて資産を投げ打って清算しても借金だけが残るケースです。

この場合、特別清算や自己破産などの方法を取らざるを得ないおそれがあります。特別清算の場合は、事前に金融機関に対してどんな形で整理するのかを相談しなければなりません。

そういった不測の事態に陥らないためにも自社の財産状況に清算できるだけの体力があるのか、どの程度の余力があるのかというものを事前に把握しておくことが大事です。事業を行うにあたっては、「失敗できる体力」を残しておくことが重要になります。

ここからは、廃業に伴うリスクについて触れておきましょう。

(1)今まで築いたものがなくなる苦痛

経営者が今まで作り上げてきた関係を、お金に換えて整理清算していくのが廃業です。社屋や不動産があればどこかに売却し、在庫があれば誰かに買ってもらいます。しかしながら、経営者の思い入れがある資産を処分していくのは、精神的に堪え難い苦痛を伴いがちです。

(2)廃業では資産や在庫が評価してもらえない

業歴が長い会社には、さまざまな経営資産があります。廃業時には、会社が有している経営資産である社屋や在庫、設備や自動車が売却され、清算にあてられるのです。

ただし、このような状況での売却は、「倒産品」とまでいかないにせよ、それに近い二束三文の処分価格にならざるを得ないのが通例となります。

このようなリスクを緩和する対策であり、なおかつ廃業と比較検討できる選択肢がM&Aです。

4.廃業ではなくM&Aなどの選択肢もある

奥田さん

経営者が廃業に臨むときの苦痛や損失を緩和するための対策であり、かつ廃業しないM&Aという選択肢について最後に触れておきます。

(1)廃業支援サービス

経営者が廃業のプロセスで味わう苦痛を緩和する対策としては、廃業支援サービスの会社に任せてしまうという方法があります。最近は、廃業時における経営者の精神的かつ実務的負担を緩和するため、整理清算プロセスを支援する廃業支援サービスの会社が出てきているのです。

廃業支援サービスはM&Aの範疇
廃業支援サービスは、実はM&Aの手法を使用します。通常のM&Aプロセスのように、株式譲渡によって会社を丸ごと買収するのです。そして、経営権を持った上でその会社の資産や人員などのすべてを整理していく業務を請け負うサービスとなります。

(2)マネジメント・バイアウト

また、廃業するしかないと思っていても、経営幹部や従業員の方から「自分がやります」と手を挙げてくれることもあります。これがM&Aの中の1つのパターンであるMBO(マネジメント・バイアウト)です。

(3)コンサルタントを通してのM&A

また、経営者が廃業を決断して顧問会計士や税理士、弁護士などの士業の先生に相談する中で、「それだったらM&Aで探せますよ」ということになる場合もあります。コンサルタントを紹介してもらって譲渡先を探してもらい、M&Aが成立するという可能性が生まれるのです。

(4)M&Aなら資産を正当に評価

廃業とM&Aを比較した場合、M&Aの方が経営者の手残りも多いという特徴があります。

廃業しないでM&Aに移行するとなった場合は、事業を継続する中で必要な在庫や設備などの経営上における資産は、正当な評価をしてもらえるのです。在庫や設備を含めた事業全体の価値を評価してもらえるので、在庫は流通する商品としての価値を認めてもらえます。

処分価格よりも継続的な価値として見てもらえて、ビジネスで通用するものにはそれなりの査定がなされるのです。資産価値の毀損が少ないので、廃業するよりもトータルで高い価値に見積もってもらえるのは間違いありません。

ただ不良在庫やM&Aでの譲渡先となる企業に必要のない、引受先のない資産は別です。これらはそのまま行くと処分価格になります。それでは勿体ないので、経営者が在任中にそれらを必要とする企業にあらかじめ売却しておくことも対策としてはあります。

計画的な準備をすることで、損失を少しでも減らすことができるのです。廃業の場合には経営者がすべての資産を自ら処理しなければなりません。M&Aの場合は、譲渡した先の会社がその後のすべてを引き継いでくれます。

(5)M&Aなら税務上の負担も軽減

廃業よりもM&Aの方が、税務上の負担も少なくなります。

M&Aの株式の売却にかかる税金は譲渡価格の20%程度ですが、清算する場合には配当として扱われて所得に対する累進課税が適用され、税率が高くなるのです。個々のケースで違いはありますが、税引き後の手元に残る金額はおおむね2割以上変わってきます。

5.まとめ

ピースの上にのった人

どんな経営者も未来永劫に事業を継続することはできません。いつかは事業を手放すタイミングがくるのです。社長になったときからいつ、どういう基準でエグジットするのか、つまり経営者としての幕引きの仕方を考えておく必要があります。負のスパイラルに陥ってからでは手遅れになりかねません。
不本意な形の破産や特別清算などに至るよりも、自ら廃業するのか、M&Aで事業承継するのかを、早い段階から検討しておきましょう。そして、士業の先生やコンサルタントに相談して、アドバイスを参考にしつつ事前プランを立てておくことが賢明ではないでしょうか。

話者紹介

奥田さん
株式会社エクステンド
コンサルタント 奥田 雄二(おくだ ゆうじ)

愛知県出身、中京大学経営学部経営学科卒。中小中堅企業に就職、総務・労務・人事・経理・資金繰り責任者として事業の成長~衰退~倒産の危機まで、経営者保証を経験しながらお金の調達と、ない苦しさをまざまざと経営者とともに経験。その経験を活かして、再生コンサル企業へ転身し、中小企業診断士を取得。名古屋オフィス設立・拡大へ尽力し、経営改善が必要な経営者に寄り添う伴走型コンサルティングを実施。現在は事業承継の多岐にわたる相談から明確な出口を描き、お金を守る安心、増やす嬉しさを経営者とともに実践中。

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