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廃業の時に在庫はどうなる?税金や登記手続き含め専門家が5分で解説

はじめに

長く続いてきた中小企業も、経済環境の変化から資金繰りが厳しくなったり、取引先がなくなったりして経営が困難になり、経営者が苦渋の思いで廃業を決断することがしばしばあります。
この時に、抱えていた在庫はどうなってしまうのでしょう。また、廃業を進めるのにはどういった手続きが必要なのでしょうか。今回は数々の中小企業の廃業の現場に関わってきた、Lien税理士事務所の齋藤さんにお話を伺いました。


1.廃業を選択した場合の在庫処理について

ビジネス苦境のイメージ

廃業した時の在庫はどうなるかということに関して、詳しく解説します。在庫を処理するにあたっては、「売却」するか「費用化」するかの二者択一です。

(1)廃業時の在庫処理は「売却」か「費用化」

費用化とは廃棄処分にすることです。これには「廃棄費用」が必要となります。売却の場合は買取先が必要になりますので、自分で探すか誰かに依頼して売り先を探してもらうということになります。

その時の金額は通常の販売価格にはならず、買い叩かれてかなり安くなります。しかし費用を掛けて廃棄処分するよりは良いといえるでしょう。

業種にもよりますが、アパレル関係の製品だと買取価格は低くなります。ファッション関連の製品は時間の経過によって減価しやすく、定番ではなく季節商品なら余計に価値が低くなります。

また、売る側がもう廃業するので「いくらでもいい」とほぼ原価で売却する場合もあります。耐久消費財の場合は原価がひとつの目安となり、もっとも安くなっても原価のラインというのが一般的な考えです。

(2)M&Aの場合は市場価値に近くなる?

これが廃業ではなくM&Aの場合は、また違った評価になります。少なくとも通常の在庫処理よりは希望価格が通りやすくなるのです。市場価格に近いものになることが多いといえるでしょう。

M&Aの譲渡先、買手企業はその売手企業を買い取ることになります。買収した会社がそれから将来にかけて、どれくらい稼いでいくのかというところが評価の対象です。よって、将来回収可能な金額として見積もることができます。

例えば100円で売れるものであれば、利益率を20%として80円で買い取るというイメージです。また、在庫の評価だけではなく全体的な会社の評価が在庫にも反映されます。その在庫が現在流通している中で優れた商品であれば、高い価値が付くこともあるのです。

2.廃業時の届出、税金や登記手続きについて

会社法人の廃業が決まったら、2ヶ月以内に確定申告を行わなければなりません。その他の手続きも、手順としては会社法に則って行わなければならないのです。

解散と清算は登記になるので、法務局にそれぞれの変更登記申請を行う必要があります。これらには税法上と会社法上のことが絡んできます。

(1)廃業時の手続き

廃業時の手続きの手順は以下の6段階になります。

法務局にて解散登記を行う
解散の異動届出書を税務署と都道府県・市町村に提出
2ヶ月以内に会社の確定申告書を提出
会社法上の公告期間が終わると清算事務年度に入る
清算事務年度の確定申告をして清算結了登記を行う
清算結了の異動届出書の提出により会社法上も税務上も廃業ということになる

ちなみに個人事業主の場合は、届出手続きが少々煩雑です。必要な各種届出と内容、期限は以下のようになります。

届出書等
内容
提出期限等
事業廃止届出書
課税事業者が事業を廃止した場合
事由が生じた場合速やかに(注)
消費税課税事業者選択不適用届出書
課税事業者を選択している事業者が事業を廃止した場合
事由が生じた場合速やかに(注)
消費税簡易課税選択不適用届出書
簡易課税制度を選択している事業者が事業を廃止した場合
事由が生じた場合速やかに(注)
消費税課税期間特例選択不適用届出書
課税期間の特例を選択している事業者が事業を廃止した場合
事由が生じた場合速やかに(注)
任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書
任意の中間申告制度を適用している事業者が事業を廃止した場合
事由が生じた場合速やかに(注)

(注) 事業廃止により、「消費税課税事業者選択不適用届出書」、「消費税課税期間特例選択不適用届出書」、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」、「任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書」のいずれかの届出書に事業を廃止した旨を記載して提出した場合には、他の不適用届出書等及び事業廃止届出書の提出があったものと取り扱われます。また、事業廃止届出書を提出した場合には、これらの不適用届出書等の提出があったものと取り扱われます。

引用元:No.6603 個人事業者が事業を廃止した場合|国税庁

(2)廃業に掛かった費用は経費として計上

廃業時の注意点としては、廃業のための費用が発生します。まずは2種類の登記費用です。

司法書士に依頼するのであれば、司法書士に支払う報酬がかかります。また確定申告は税理士に依頼することになるので、解散とその後の清算事務年度の確定申告のそれぞれについて税理士に支払う報酬が必要です。

もちろん、これらはすべて経費として計上されます。費用の額に関しては、登記そのものは登録免許税として決まっていますが、士業の先生に支払う報酬というのは各事務所によってさまざまです。

また、登記実務や解散の確定申告などの業務に関しては、おおむね先払いで請求されることになります。なぜなら解散してなくなってしまう会社なので、すべてが終わってから報酬をもらうということを士業の先生は望まないからです。

3.廃業時の特例について

士業イメージ

廃業の手続きの中で、確定申告をして利益が計上されていれば、窮状であっても税金を納めなければなりません。しかし、そういう苦しい状況に鑑みて、納税を緩和する特例があります。

廃業すると、累積の赤字が貸借対照表の純資産の部に上がってくるので、これをもとに過去の赤字を組み込んで、廃業時点の黒字を相殺、減少させるという申告が可能です。
次のような「期限切れ欠損金」と「欠損金の繰戻しによる還付」の2種類があります。詳しく見ていきましょう。

(1)期限切れ欠損金

中小企業の多くは、社長個人からお金を借りている場合があります。会社から見ると借入金です。これを「社長借入金」といいます。法人として支払うことができなくなるので、これを最終的に棒引きにするのです。

そうすると債務免除益と呼ばれる収益が発生します。この帳簿上での利益であってお金の実体が伴わないものに対して、法人税が掛かってくることになります。

これを免除する特例的な措置的な意味で「期限切れ欠損金」として過去の累積赤字に組み込むことで、法人税が少なくなるようにすることができます。

(2)欠損金の繰戻しによる還付

過去の欠損金に関して解散事業年度に法人税の取り戻しを行う「欠損金の繰戻しによる還付」という制度があります。主に廃業をするような中小企業に関して認められる措置です。大法人は原則として利用できませんが、解散事業年度であれば適用することができます。

解散事業年度の前に黒字が出て法人税を支払っている場合に、廃業時の赤字を前の事業年度の法人税の所得計算に組み込み、一旦支払った法人税を戻してもらう手続きとなります。
(※ただしこれを利用した場合、繰戻還付で戻った額は期限切れ欠損金に当てる部分から差し引かれるので、その分だけ期限切れ欠損金の金額は減少)

この2種類の会計処理は、税理士が廃業時に検討し、可能であれば計上して少しでも負担を減らすようにしてくれます。

4.廃業時の注意点

廃業時の会計処理で、注意する点を補足しておきましょう。

(1)廃業時の減価償却

廃業する場合には通常の事業年度よりも短くなります。例えば3月決算で1回締めて、次の年度に廃業する場合には廃業登記を行い、その時点で一旦事業年度が切れます。

4月末に解散登記をした場合には、解散事業年度は4月1日から末日の1ヶ月間です。この場合の減価償却は月割り計算になります。

(2)廃業する場合の事前の準備

多くの中小企業経営者の場合、こういった細かい手続きや利用できる特例の知識はありません。廃業を決断した時点で初めて、どういった手続きが必要かを士業の先生等に相談することになります。

経営者が一人でこれらすべてを行うのは無理があります。登記に関しては法務局に行ってできないことはありませんが、確定申告に関しては少々難しいでしょう。これらの手続きは、まず税理士に相談するのがもっとも適切です。

税理士であれば廃業に関しての内容もおおむね知識があり、司法書士とのつながりもあるでしょう。士業の先生で連携して、すべての手続きを任せることができます。

そのためには、ある程度の廃業のための資金を用意しておく方がよいでしょう。他にも未払いの税金があると税法上廃業とみなされなくなります。どのように処理をするのかも含めて、税理士と相談するのが賢明です。

5.まとめ

決断のイメージ

会社の経営が悪化し、対外的に支払いができない状況になるともう手遅れです。廃業という選択すらできなくなります。自己破産等になってしまうので、廃業の選択は早ければ早いほどよいでしょう。

経営者が自分自身で廃業を決断するタイミングはさまざまです。若ければまた再起もできるので、廃業を早く決断するのも意味がある選択肢でしょう。経営者の人生が後半になればなるほど、最後まで諦めないケースが多くなり、結果として廃業すら選択肢として選べなくなります。

廃業を判断する目安を挙げるとしたら、60%あるいはそれ以上を占めるような主要得意先が潰れたり契約が切れたりしたタイミングです。手遅れにならないように、その時点で一度じっくりと考えてみることが必要ではないでしょうか。

話者紹介

齋藤幸生さん
齋藤幸生(さいとうゆきお)

Liens税理士事務所代表 インバウンド税理士

税理士として独立以前から日本に進出する海外企業の支援活動を継続。創業や起業のスタートアップ、国際税務などを数多く担当。フォワーディング業、貿易業、建設業を中心に税務顧問や経営コンサルティング。経営革新等支援機関としては経営力向上計画、先端設備等計画、ものづくり補助金申請を中心に作成、提出、コンサルティング。クラウド会計MFクラウド公認メンバー。経営革新等支援機関 税理士会新宿支部 情報システム部 幹事。東京税理士会所属。東京商工会議所新宿支部 商業分科会。

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