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愛知県で起こったM&Aの成約事例

はじめに

地方の企業がM&Aの売手になる場合、地域ごとの事情を考慮する必要があります。ここでは、愛知県の廃業・解散・倒産件数を追いながら、愛知県で起こったM&Aの成約事例までを紹介します。愛知県名古屋市に本社を構え、地域に密着したM&A支援を行う名南M&A株式会社・篠田康人氏に、愛知県のM&Aについて聞きました


1.愛知県の経済

02_愛知県の経済

愛知県の産業構造の特色は、輸送用機械をはじめとした第二次産業のウェイトが高く、モノづくり産業が盛んです。「工業統計調査」(経済産業省)によると、愛知県の2017年の製造品出荷額等は46兆9,681億円で、全国の約15%を占めています。また、産業別県内総生産を見てみると、製造業が占める割合は37.6%(全国20.7%)と高い割合を占めています。製造品出荷額等、県内総生産における製造業のシェアの高さから、愛知県は「モノづくり県」と呼ばれています。

日本の主要産業が時代と共に繊維、製鉄、自動車と変わるなかで、愛知県では自動産業が際立った存在感を示しています。全国の自動車産業の製造品出荷額等60兆6,999億円のうち、25兆3,590億円と41.8%のシェアを占めており、自動車産業は愛知県のモノづくりを牽引する基幹産業です。しかし、自動車産業を取り巻く環境も大きく変わりつつあり、この数年の間に燃料電池自動車、電気自動車、プラグインハイブリッド車などの次世代自動車の普及が進むと考えられています。特に「CASE(ケース)」というキーワードに象徴されるように、「Connected:コネクティッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/Service化」「Electric:電動化」への動きは活発化していくと考えられています。その結果、これまで県内の自動車部品メーカーが作っていた部品が不要になるということも起こりえます。すぐに自動車の部品メーカーが大打撃を受けるというわけではありませんが、大手自動車メーカーの動向によっては、部品メーカーも対応を迫られる可能性も考えられます。

また、2027年の東京-名古屋間のリニア中央新幹線開通に向け、名古屋駅周辺地区、栄地区を2核一体とする都心部において、再開発が進んでいます。そのため、再開発に関わる建設業全体としての景気はやや良い方向で推移すると予想されています。ただ、2008年、米金融危機に端を発した世界不況を受け、トヨタ自動車は2009年度の営業利益見通しを1兆円下方修正した「トヨタショック」に代表されるように、日本経済を牽引してきたトヨタの経営判断が、地元部品メーカーのみならず、製造業や運送業、人材派遣業、飲食業にまで負の波及効果を及ぼします。その結果、サプライチェーンの寸断による部品供給が滞り、主力の自動車産業が減産を余儀なくされ、地域全体の生産活動が急速に低下するといったことも考えられます。近年、米中貿易摩擦の影響は、特に製造業の生産にマイナスの影響として現れる可能性もあります。政治・国際的な動向に注視する必要があるでしょう。

2.愛知県の休廃業・解散・倒産件数

03_愛知県の休廃業・解散・倒産件数

近年は後継者が見つからないことで、事業が黒字でも廃業を選択する企業は多いと考えられています。経済産業省が2017年10月に公表した試算では、今後10年間で70歳を超える全国の中小企業経営者は約245万人と推計するなど、経営者の高齢化が問題になっています。ここでは、愛知県の休廃業・解散件数を紹介します。

2018年の愛知県の企業倒産件数は638件と、2年連続で前年を上回っています。次に、休廃業・解散数をみると1,076件。前年1238件を162件下回り、2年連続で前年を下回りました。業種別で休廃業・解散数をみると、建設業が342件(前年比19.1%減)で全体の31.8%を占めています。ついで卸売業が177件(前年比10.2%減)、サービス業が172件(前年比4.4%減)と続きます。前年との比較では、製造業が唯一増加し162件(前年比5.9%)の倒産がありました。休廃業・解散を選択した代表者の年齢をみると、70代(343件)が最多で、次いで60代(281件)が続きます。60代以上が全体の78.1%に達します。年齢別構成比では3年連続で70代が最多となっており、高齢代表者の休廃業・解散が急増している実態を物語っています。

愛知県だけでも、1年間で1,700社超が企業活動を停止しており、特に製造業は休廃業・解散数が前年を上回る結果になりました。しかし、倒産件数は23.9%の減小しており、業績不振等により事業継続を断念したというより、代表者の高齢化や後継者不足など事業承継が困難な状況下で、財務状況に余裕があるうちに廃業を選択するというケースが多いと考えられます。

全国・愛知県の休廃業・解散件数

04_全国・愛知県の休廃業・解散件数
全国・愛知県の倒産件数

05_全国・愛知県の倒産件数

※データは帝国データバンク(2018年)調べ

3.愛知県のM&A 

愛知県の経済成長を高めるには、製造業の事業承継がより円滑に進まなければなりません。事業承継には、親族に承継する(親族内承継)、従業員等に承継する、第三者に承継(M&A)するといった方法があります。以前は親族内承継の割合が圧倒的でしたが、最近では親族外承継が増加しています。製造業を営むオーナー経営者の話を聞いていると、製造業に対する子どもの評価は高くないことも多く、子どもの方から事業承継を断るケースもまれにあります。

また、自動車業界はコスト管理、品質管理で最も厳しい業界と言われ、無理に子どもに継がせたことで、厳しい思いをさせることにつながってしまう「継がす不幸」を意識する経営者の方も増えています。人命にかかわる部品の品質を保たなければならないというプレッシャーのなかで、何万個という部品を供給する厳しさから、子どもが承継するというパターンは減っていると実感します。

中堅・中小企業の部品メーカーの休廃業が相次げば地域経済の衰退や雇用喪失を招きかけないとして、トヨタ自動車やグループ各社などが中心となって、2次取引先、3次取引先の事業承継支援に乗り出し始めています。

愛知県における製造業のM&Aでは、一般的に同業種同士のM&Aよりも、同エリアでの近接業種M&Aが増加しています。例えば、金属切削加工を行う会社が金属プレスを行う会社を買収したり、金属加工を行う会社がプラスチックの加工を行う会社を買収したり、自社製品のアッセンブリーを行う外注先を買収したり。自社とは異なる技術、素材、工程の会社を買収することで多角化を図っています。単なる異業種を買収していく多角化ではなく、本業となる柱を増やすためにM&Aを推し進めていく傾向にあります。

一般的に、製造業のM&Aは、M&Aをサポートできるアドバイザーが少なく、また、技術が細分化しているという理由から、買手を見つけにくいと言われています。だからといって、M&Aをあきらめる必要はありません。製造業のM&Aで、買手から高く評価されやすいポイントは、設備投資と従業員の年齢です。

古い設備のまま事業を行っている部品メーカーも多く見られますが、買手からしてみれば、買収後に設備投資し直さなければなりません。製造業のなかでも設備投資を行っている会社は高く評価されやすく、実際に検討段階では売上や利益だけでなく固定資産も見られます。ひと口に製造業といっても、様々な業態がありますが、売却を検討する前に自社の設備を確認しておきましょう。

従業員の年齢も、買手が重要視するポイントです。日本の製造業には、非常に高度な技術や特許を持った会社も多く、技術を承継するには時間がかかります。いわゆる「職人」のような工程が属人化している業務の場合、技術の習得はいっそう難しくなるでしょう。しかし、若手の従業員が多ければ、時間がかかったとしても技術を承継できる可能性は高まります。

4.愛知県で起こったM&Aの成約事例

06_愛知県で起こったM&Aの成約事例

M&Aを活用して事業承継を行いたいという製造業のオーナー経営者は多いと思います。M&Aを行う上で意識したいのは「磨き上げ」です。製造業の場合、オーナー経営者が所有する土地を法人に貸し付けていたり、工場などの建物が法人名義になっていたりと、法人資産と個人資産の区別が明確でない場合があります。業歴が長い部品メーカーに至っては、相続などで株式が分散しているケースも見られます。買手が敬遠するポイントになるため、親族が承継するにせよ、第三者が承継するにせよ、承継しやすい状態に整理しておきましょう。

ここからは、弊社が携わった製造業M&Aの成約事例を紹介します。

◼︎2016年10月
13年間のサラリーマン時代を経て、35歳で自動車関係の自動化機器メーカー「株式会社ジャスティス」を設立。トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機、日産自動車など国内大手に取引先多数。M&Aでは従業員と業務内容、取引先をそのまま引き継いでくれる会社に譲りたいと考え、2016年にトヨタ自動車のサプライチェーンの一翼を担うメーカーに株式譲渡を実施。M&A後も相談役に就任し事業を支援。

◼︎2008年5月、2012年11月
創業50年以上の歴史を持つ「協和ダンボール株式会社」。2008年に広春ダンボール工業株式会社(愛知県名古屋市)、2012年に三和紙器株式会社(静岡県三島市)を子会社化。同じダンボール製造業をM&Aしたことで、配送ルートの効率化やグループ全体のコスト削減に成功。また、材料の仕入れや人材の確保、設備投資、資金調達などの業務をグループ一体で対応することにより、スケールメリットを発揮。

◼︎2019年8月
塗料販売・調色加工業を営む「株式会社久米商会」(愛知県名古屋市)は、代表者の高齢化にともない早めの事業承継を検討。譲渡候補として挙がったのは、塗料専門商社として地元名古屋で事業を展開する「株式会社アック」(愛知県名古屋市)。同エリア・同業種のM&Aだったため比較的スムーズにM&Aプロセスが進行。譲渡側の事業承継問題、譲受側のシェア拡大など、双方にウィンウィン(win-win)な関係を構築。

 


話者紹介

篠田 康人(しのだ やすひと)

名南M&A株式会社
代表取締役社長
篠田 康人(しのだ やすひと)

名南M&A株式会社代表取締役社長、中小企業診断士、宅地建物取引士。株式会社名南経営(現株式会社名南経営コンサルティング)に入社後、M&A支援業務を手がける企業情報部を立ち上げ、会社分割により名南M&A株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。東海エリアに本社をおく唯一のM&A専門会社として、中小企業の事業承継の事業承継型M&A支援を中心に、これまでに200件を超えるM&A成約実績を有する。

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