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生命保険を活用した事業承継対策とは?種類や注意点をまとめて解説!

はじめに

家族経営をしている中小企業がスムーズに事業を引き継ぐために、生命保険が利用されることがあります。生命保険を活用した事業承継には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。金馬会計事務所の代表で公認会計士・税理士の金馬直紀さんに教えていただきました。


1.後継者の負担を軽減できる?保険による事業承継のメリットとデメリット

カップルと老人

一般的に事業承継をする際は、後継者が会社の株式の全部または大部分を引き継ぐことになります。株式譲渡によって承継する場合は、後継者が株式の対価を支払うための資金が必要です。相続または贈与によって株式を承継する場合は、株式評価額に応じた相続税や贈与税を負担しなければなりません。

しかし、生命保険などを上手に利用することで、このような事業承継時に後継者にかかる負担を軽くすることができます。保険を活用するメリットとデメリットを見ていきましょう。

(1)保険を活用するメリット

経営者は生命保険などの保険金受取人を後継者や会社に指名しておくことで、事業承継に必要な資金を受け渡すことができます。これにより後継者や会社は株式を買い取ることや相続税などを支払うための資金を確保でき、円滑な事業運営を行うことができます。

また保険金の掛け金を支払うことで、会社の株価すなわち会社の価値を引き下げることが可能になります。これによって、株価買い取りの際の負担を軽くすることができます。

(2)保険を活用するデメリット

保険契約期間中は保険料を支払わなくてはならないため、高額な保険に加入した場合は保険料の支払いが会社のキャッシュフローを圧迫してしまうリスクがあります。

また、解約返戻率がピークを迎える前に保険契約を解約せざるを得なくなった場合、あるいはピーク時での解約を失念した場合は、受け取る返戻金が少なくなります。結果として損失が発生してしまうリスクも挙げられるでしょう。

2.事業承継に活用できる保険の種類

経済スプレッドシートと聴診器

事業承継に利用できる保険には下記の4種があり、いずれも元の経営者を加入者、保険金受取人を後継者にすることで事業承継に活用できます。

ただし「長期平準定期保険」と「逓増(ていぞう)定期保険」については、制度の改変で今後加入しても改変前より効果が限定的となっているため注意しましょう。

(1)保険料が低い「生命保険」(個人契約)

一般的な生命保険は、後継者個人の資金を確保する際に活用できます。掛け捨ての定期保険の保険料は低めに設定されていますが、保障期間を過ぎると保険金が支払われなくなるため注意が必要です。一定の年齢を過ぎると更新ができなくなること、解約返戻金がないことが多いことも覚えておきましょう。

(2)解約しない限り保障が続く「終身保険」(法人契約)

解約をしない限り保障期間が続く保険です。一生涯保障が続くため、経営者が高齢で亡くなった場合も必ず死亡保険金が支払われます。保険料は一定で、加入した年齢が低いほど安くなりますが、定期保険よりは高めに設定されています。

解約返戻金はありますが、解約の時期によって払込金より多くなったり少なくなったりするので注意しましょう。

(3)保険料の変動がない「長期平準定期保険」

解約返戻率のピークが20〜30年程度の期間に設定されているため、比較的長期間の事業承継対策を実施する際に使い勝手が良い保険です。保険料の変動はありません。

株式の生前贈与もしくは譲渡を行う場合に、自社株式の評価額引き下げに活用されてきましたが、税務上の取り扱い変更により2019年7月8日以降に契約した保険については、全額損金となるのは最高解約返戻率が50%以下のもののみとなりました。そのため現在では自社株式の評価額引き下げへの効果は高いとは言えません。

(4)保険金額が段階的に増えていく「逓増(ていぞう)定期保険」

逓増定期保険は死亡保険金額が一定ではなく、加入時から段階的に増えていく定期保険です。解約返戻率のピークは10年前後に設定されていることが多く、勇退の時期及び退職金受け取りの時期が10年後前後で明確に定まっている場合によく利用されます。

長期平準定期保険と同じく、株式の生前贈与もしくは譲渡を行う場合の自社株式の評価額引き下げに活用されてきました。しかし、こちらも解約返戻率が高い商品については損金算入割合が大幅に制限されたため、現在では自社株式の評価額引き下げへの効果は高いとは言えないでしょう。

3. 4つの保険を事業承継で活用する方法

チェスのポーンの真ん中に立っているビジネスマン

各種の保険はどのように事業承継に役立てることができるのでしょうか。それぞれの活用法を詳しく見ていきましょう。

(1)「生命保険(個人契約)」を活用する場合

経営者が生命保険に個人契約で加入し、受取人を後継者にしておくことで、経営者にもしものことがあった際も、後継者に一定の資金を準備することができます。

また、後継者が相続した株式について他の相続人が遺留分を主張した際は、支払われた保険金を利用して代償金を支払うこともできます。相続した株式にかかる相続税の納税資金としても活用可能です。

生命保険金は相続税法上「みなし相続財産」として相続税の課税対象にはなるものの、「法定相続人数×500万円」の生命保険金控除枠があるため相続税の対策にもなります。

(2)「終身保険(法人契約)」を活用する場合

後継者が元の経営者に株価の支払いをして株式譲渡を受けるのではなく、株式を相続することで事業を引き継ぐ場合には、終身保険が役立ちます。

株式を相続した後継者は相続税を納めなければなりません。後継者が十分に資金を保有していない場合は納税資金が不足してしまうことがあります。一般的にそのような場合は会社が後継者から自社の株式(自己株式)を買い取り、後継者はその買い取り金を相続税の納税に充てます。

会社は自己株式を買い取るための資金が必要になりますが、会社が法人契約で生命保険に加入しておけば経営者に不幸があった際に死亡保険金を受け取ることができます。その資金を自己株式の取得資金にあてることができるようになります。

(3)「長期平準定期保険」または「逓増定期保険」を活用する場合

株式の生前贈与もしくは譲渡を行う場合、自社株式の評価額引き下げに活用できます。中小企業は自社株式を評価する際、往々にして類似業種比準方式による評価を行います。

この対象となる会社の利益が圧縮されていれば、対応して株式評価額も引き下げられ、贈与もしくは譲渡にかかる費用や相続税を抑えることができます。

長期平準定期保険または逓増定期保険は保険料の一部を損金に算入できるうえ、解約返戻金が高めに設定されています。そのため後継者への負担を軽くしたうえで事業承継ができ、さらに受け取った解約返戻金は経営者の退職金にあてることが可能です。

ただし前出の通り、2019年7月8日以降に契約した場合、解約返戻率が高い商品については損金算入割合が大幅に制限され、自社株評価額の引き下げ対策への活用効果は限定的です。

4.注意!保険を活用した事業承継を失敗しないために

弁護士が議論し、契約に署名するグループ

最後に、事業承継で保険を活用する際に注意すべき3つのポイントを紹介します。

(1)事前に将来のキャッシュフローを予測しておく

前述の通り、保険料の支払いがキャッシュフローを圧迫してしまうリスクがあります。また資金不足により保険契約を解約せざるを得なくなった場合は、想定よりも解約返戻金が大幅に低くなることがあり、結果として損失を抱えるリスクもあります。そのため保険契約の際には、将来のキャッシュフロー予測を行った上で、無理のない範囲内で契約をすることを心がけましょう。

(2)想定外の納税が発生しないプランニングを

保険料の一部または全部が損金に算入できる一方で、受け取った保険金や解約返戻金は全てあるいは一部が利益金に算入されます。退職金支払や弔慰金支払などによる相殺のタイミングがずれると、想定外の納税が発生する場合があるので、きちんとプランニング行いましょう。

(3)幅広い選択肢から最善の方策を見極める

どのようなシチュエーションにおいても事業承継では「保険の活用」が最善の方策となるわけではありません。特に現在は「事業承継税制」という贈与税・相続税を事実上免除とする納税猶予の制度があります。そのような制度などを検討した上で、総合的に最善となる方策を考えることが大切です。

2019年度の保険契約に関する税務上の取扱い改訂の結果、節税効果のある保険商品は大きく減少。同時に、節税効果を謳った保険商品の販売・勧誘が禁止になりました。現在は「節税になります」といった謳い文句による商品販売はされていませんが、いつの時代も「節税」といった言葉の誘惑は甘美です。

その言葉にのせられて本来は必要でない不利な商品の契約、無駄な出費がないように注意をするとともに、事業承継における税金については税理士などの専門家にきちんと相談するようにしましょう。

話者紹介

金馬 直紀(こんま なおき)
THINKWELL株式会社 代表取締役

金馬会計事務所 代表
公認会計士、税理士

兵庫県神戸市出身、大阪市立大学(経済学部)卒業。公認会計士試験合格後、EY新日本有限責任監査法人にて上場企業・金融機関・各種法人等の監査業務に携わる。

その後、EY新日本有限責任監査法人のFAS部門(現EYトランザクション・アドバイザリー・サービス㈱)にてM&Aアドバイザリー業務、事業再生支援業務に携わり、財務デューデリジェンス、企業価値評価業務、事業計画策定支援業務等に従事。

2016年に金馬会計事務所およびTHINKWELL株式会社を設立。様々な会社の財務DD、企業価値評価、事業計画策定、税務業務を行ってきた経験を活かし、M&Aや事業承継のサポートを手掛ける。

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