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成功事例インタビュー

「100点満点」の事業譲渡が実現。成功の要因は迅速な決断と日頃の丁寧な資産管理

モバイル充電事業

譲渡事例
2021.07.01

06

小さな事業でも譲渡は可能。あらゆる案件に対応した仲介会社選びと日頃の準備が大切。

荒谷 修司さんがモバイル充電事業の事情譲渡を決断したのは、コロナ禍の影響によってでした。東京オリンピック開催で想定していたインバウンドの人流が消失し、モバイル充電事業のメインの取引先であるアミューズメント系や家電量販店、パチンコ店やカラオケ店の時短営業や休業が相次いだことを受け、苦渋の決断での売却を判断されました。

結果的には、ご自身が「100点満点」と語る事業譲渡が成立しました。この記事では実際に実務を担当したM&A仲介会社の担当者さんにも加わっていただき、事業譲渡の経緯や成功の秘訣についてうかがいました。

◆プロフィール
株式会社ノンフィクション代表取締役
荒谷 修司(あらやしゅうじ)

1967年生まれ。北海道函館市出身。日本電信電話株式会社、NTTコミュニケーションズなどで国際事業・財務を担当。その後、ICTベンチャー企業を経て独立。コンサルティング事業から飲食店業務まで、多角的に事業を展開。2021年7月にモバイル充電事業を事業譲渡。

譲渡企業

譲渡企業

株式会社ノンフィクション

所在地:
東京都中野区
業務内容:
DX推進コンサルティング/Zendesk構築支援/事業承継/事業再生ハンズオン/業務マニュアル制作/PMO(プロジェクトマネジメント)/バックオフィスBPO/飲食店経営(DARTSBAR ZENON)

※譲渡したのはモバイル充電事業部門のみです

譲受け企業

譲受け企業

株式会社エヌパートナーズ

代表取締役
太田 吉信
所在地:
東京都北区
業務内容:
NHK受信料の契約/収納業務ほか

事業承継を考え始めたきっかけを教えて下さい。

荒谷:
充電ビジネスのほかにも色々とやっているのですが、充電のビジネスに関しては、取り扱いを開始した当時の15年前から「終わり」を意識しており、常に事業承継が選択肢の中にはありました。もともとサラリーマンをやっておりまして、その後、ベンチャー企業に入社して2社ほど経験したのです。1社が途中でつぶれたこともあり、事業には終わりがあるということを常に認識していました。

最終的に事業承継を決断するきっかけになったのは、コロナの影響です。人流が極端に抑えられたことが背景にあります。飲食店は国からの休業補償がありますが、充電ビジネスには一切補償がありません。ニッチな事業であるからこそ15年続けてこられたのですが、コロナ禍になり、ニッチであるがゆえに何の補償もない状況になってしまいました。

この状況がしばらく続くのであれば、人的資源をほかの事業に回すほうがいいだろうとの経営判断をしました。真剣に考え始めたのは2021年の始めです。その時点でモバイル充電事業の売り上げは、前年の50%減から70%減になってしまいました。携帯電話の充電器が主に設置されている場所は、ネットカフェ、カラオケ店などのアミューズメント系、家電量販店、大学の生協、健康ランドの温浴施設などです。緊急事態宣言により休業や時短、お店を閉めるところも相次ぎ、これから先も厳しいだろうなと考えました。

ただし、モバイル充電の需要は、我々が手掛けているフィールド以外にもたくさん存在しています。我々が得意としているフィールド以外の顧客を持っている会社に譲渡し、今後も更に成長していくだろうと考え、悩みながらも最終的に判断しました。

専門家から見て、M&Aを判断するタイミングはいかがですか?

仲介会社担当者:
今回のケースに関しては、M&Aにおける専門家の判断よりも、事業をやってらっしゃる経営者の判断が正しいと考えます。モバイル充電の事業が現在どのようなフェーズにあるのか、そして今後どのようになっていくのかは、荒谷様がもっともよくご存知だからです。そして、現在の事業は営業体制が整っている企業に譲渡した方がスケールしていくだろうという見立ても客観的な視点を持たれているからこそできたのだと思います。

事業承継を決断するにあたって、どなたかに相談しましたか?

荒谷:
ネットで検索して調べましたが、特に誰にも相談はしませんでした。自分でも事業譲渡のサポートを仕事にしていまして、コンサルティングの仕事もしていますし、サラリーマン時代は税務や経理もやっていたので、相談をする必要性を感じなかったのです。ただし、仲介会社の担当者の方のように事業譲渡のスキルのある人が周りにいなかったので、知識のある専門家にお願いしようということは考えていました。

今回のM&Aにおける仲介会社の選定基準を教えて下さい。

荒谷:
今回、M&A仲介会社を選ぶ際に重視したのは、事業規模の小さい案件に強いということです。この条件に見合うところが実はあまりありません。M&Aの仲介手数料は1,000万円以上の案件ならば何%、2,000万円以上なら何%と決まっているのが一般的ですが、今回のような事業単位の譲渡を扱う会社がきわめて少ないのです。手間がかかるわりにあまり利益が上がらないことがその理由なのですが、それでも丁寧にやってもらえる仲介会社というのが条件でした。

もう一つの条件はスピード感です。今回は、自ら検索したのちにリクルートの事業承継センターに依頼しました。その当日にご連絡があり、こちらから事業に関する情報を送った2、3日後には譲渡予定をしている事業の価値の金額について提示がありました。こちらの希望をお話すると、最適な仲介会社をご紹介いただいたので、安心してお任せすることにしました。

事業を始めた時点から事業承継を想定していましたし、もし売却するならばこういう条件でお願いしたいということは固まっていたので、事業承継センターから提示していただいた時点で、迷うこともなく「提案いただいた仲介会社さんにお願いするしかないな」と即決しました。

一般的に仲介会社を選択する注意点はどのようなことですか?

仲介会社担当者:
スピード感と経験、それに手数料ですね。M&A仲介会社の手数料は法律で明解に定まっているわけではないので、仲介会社によって、かなり違いが出る可能性があります。おおよその相場感はあるのですが、大手の場合ならば最低でも2,000万円からというところもあります。仲介会社に依頼する場合には手数料が重要なポイントになるので、確認しておく必要があります。

譲受け企業をエヌパートナーズに決めた理由を教えてください。

荒谷:
もともと私がイメージしていた譲受先にぴったりでした。携帯の充電はあまり大きな事業ではないため、「壊れたからすぐ修理してほしい」、「集金に来てほしい」など、取引先の要望に応えるために外に出ることの多い業種です。

エヌパートナーズさんはNHKの契約代行をメインでやっている会社で、本業が外での仕事が中心なので、追加の一事業という位置づけでの事業展開が可能だろうなと考えました。新たに人を雇って、新事業として始めるのは難しい事業です。仲介会社の担当者の方からエヌパートナーズを提示していただいたときに、これはぴったりだなと判断しました。

充電事業のサービスをおろそかにされると、我々の今後の事業にも支障を来す可能性があるので、充電事業を大切にしていただける会社であることは重要なポイントになりました。

もう一つはスピード感です。7月に譲渡しましたが、それまでの1カ月間、こちらに来ていただいて、メンテナンスの方法から集金時の注意事項までをレクチャーして引き継ぎ作業を行いました。

モバイル充電事業は、取引先ごとにバリエーションがあります。例えば大型店舗を数多く持っている家電販売店の場合だと、入店する際にカバンの中に入っているスマートフォンやパソコンをシリアル番号まで含めて登録しなければ、店内に入ることができません。個別に細かな制限やルールがたくさんあります。その引き継ぎを真摯にやっていただけたことは大きかったです。

M&Aの専門家の立場から、譲受け会社を選ぶ上で重視すべきポイントを教えてください。

仲介会社担当者:
事業を譲受けたあとで、買手会社がその事業を伸ばしていけるかどうかは大きなポイントになります。まったくの異業種である会社が投資目的で譲受ける場合もありますが、買ったあとにうまくいかず、「買い戻してくれ」と要求してくる例もありました。売買したのちに、その事業がどう展開されるのかを踏まえることが重要です。

今回のエヌパートナーズさんは、新規の営業先を増やしていけそうな会社ですし、対応も細かくスピーディーにやっていただけたので、信頼できる会社だなと判断しました。もう一つ重要なのは、企業文化が合っているということです。面談や打ち合わせをした段階で、おおよそ企業文化が合っているかどうかは肌感でつかむことができます。

今回は事業のみの譲渡で人の引き継ぎはありませんでしたが、通常は会社ごとの売却となって人も含めて引き継ぐケースが多いので、企業文化が合うか合わないかはより重要な要素になります。

M&Aに対する不安や怖さはありませんでしたか?

荒谷:
仕事柄、M&Aには少なからず関わってきているので、それほど不安を感じませんでした。ただし、今回の場合は最初の面談から事業譲渡が成約するまでに約3カ月でかなりのスピード感だったので、こんなにトントン拍子でいいのかなと、順調すぎるがゆえの不安はちょっとありました。

M&Aにおける成功の秘訣は何だったと思われますか?

荒谷:
一つは奇跡的にいい会社に出会うことができたことです。自分たちが行ってきたことに関しては、小さいながらも事業ごとの月次収支を把握していたのがよかったのではないかと考えています。

携帯の充電事業でのPL(損益計算書)はこうなっていますということを、小さいながらも事業別に月次決算をきちんと行っていました。資産管理も丁寧に行うことを心がけてきました。減価償却も踏まえ、毎月毎月その時点での資産状態、減価償却の累計額がいくらであるかということも含めた管理を行っていました。

事業承継総合センターから事業のPLとBSの提出依頼があったときにも、すぐに提出できたことは大きかったと考えています。譲渡金額は機器の資産価値プラス営業権で成り立っているので、資産の価値がどれくらいか、減価償却分も含めた管理が重要になります。減価償却は常にし続けているので、今売るのと半年後に売るのでは、資産価値が全然違います。資産を丁寧に管理して資産価値を把握しておくことが重要ですし、M&A成功の秘訣といえるのではないかと考えます。

仲介をする立場から見て、この案件が成功した理由は何だと思われますか?

仲介会社担当者:
売却前の時点で荒谷様が事業に関わる資料(資産性がわかる資料)を数字で丁寧にまとめてくださっていたことが大きかったと思います。準備の段階で買手に提案する際にも役立ちましたし、買手が売買を判断する際にも役立ったのではないでしょうか。案件が進み出してからも引き継ぐ契約書関係のデータや、どの取引先とどういう契約をしているのかということまで細かくまとめてくださっていたので、引き継ぎもスムーズに進めることができました。事業単位で収益性や資産性をここまで丁寧にまとめているケースはあまりありません。資産管理を丁寧に行うことは最終的な条件にも関わってくるので、日頃からやっておくべきことだと考えます。

M&Aが成約した現在の率直な気持ちを教えてください。

荒谷:
15年やってきた事業を手放したので、寂しいという気持ちはあります。途中から責任者を置きましたが、一人でやっていた頃には台風の日に苦情があり、嵐の中を直しに行ったこともあります。正月期間はレンタルの機器が戻ってくるので、正月の間ずっと会社にこもって、徹夜で修理作業を行ったこともあります。

パチンコに負けた腹いせで壊されたパチンコ屋さんに設置した機器の修理、イタズラでガムを突っ込まれた24時間営業の量販店の機器修理もしました。エヌパートナーズさんには棚ごと引き取ってもらったので、今は何もありません。ガランとした空間に慣れるまで、寂しさを感じました。大変なことはたくさんありましたが、それだけに愛着もあります。

15年の中で機械のモデルチェンジを何度か行って、最終的に引き継いだ機械は、東京オリンピック開催が決まったあとに設置したものです。インバウンドの人流が増えることを想定して投入したのは、英語と中国語、それと日本語に対応したトリリンガルの機械でした。世界中の人が東京にやってきて使ってくれると想定していたので、まさかコロナ禍でこうなるとは予想もしていませんでした。

今はコロナが早く収束して、売上が戻ることを陰ながら応援していきます。「充電の事業なんて、すぐになくなるよ」と15年前から言われていましたが、スマートフォンが登場し、加熱式タバコのアイコスが出てきて、充電の需要はむしろ増えてきています。充電が必要な場所は必ずあるので、エヌパートナーズさんには新しい市場を開拓していただけたらと考えています。

株式会社ノンフィクションのメンバー

今は次の事業へと頭の切り替えができたところです。充電事業の責任者を新しい事業の責任者として新事業を立ち上げ中なので、現在は新事業のことで頭がいっぱいになっています。

今回の事業譲渡に関して、良かった点と反省点を教えて下さい。

荒谷:
いったん事業を整理して、新しい事業にお金も人も集中できるようになったことはとてもよかった点だと考えています。M&Aに関して反省点はないです。100点満点を付けられます。

これからM&Aを検討する経営者に向けて、メッセージをお願いします。

荒谷:
M&Aというと、大きな会社や大きな事業の売却を思い浮かべる人が多いと思うのですが、我々のような小さな事業単位でもM&Aが可能な時代になっています。個々の事業に対して魅力を感じてくれる企業の経営者のみなさんは必ずいるはずなので、事業承継という選択肢も頭に入れて経営していただくのがいいのではないでしょうか。

仲介会社担当者:
M&Aの仲介会社やサポートする法人は増えてきています。サービス内容も多岐にわたっています。M&Aを考えるときには当然「初めて」というケースが多くなりますが、より多くの仲介会社やアドバイザーに相談して、納得した上で最善のパートナーと一緒にM&Aを進めていくと良いでしょう。相談する分には基本的にお金がかかりません。M&Aを実行していくよいパートナーを見つけることが、最終的にはいい結果につながります。

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