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成功事例インタビュー

会社のビジョンが見える株式譲渡に成功

化粧品、雑貨の企画・販売

譲渡事例
2022.02

09

今後の課題はブランドの一貫性をどう共有して守っていくかということ

今回、株式譲渡を行ったのは、まだ歴史の浅いA社です。A社は、植物由来のスキンケア・香水・雑貨などのブランドを展開しており、忙しい日々を送っている働く女性に寄り添うというコンセプトで、マスメディアからも注目され、女性層からも支持されています。
A社が株式譲渡を決断したのは、代表取締役でありブランドの立案から企画までを統括しているK様の体調不良がきっかけでした。代表は株式譲渡して経営の一線から退くことになりますが、ブランドや従業員の雇用を守ることを条件としたM&Aをすることにしたのです。

2021年春に1回目のマッチングをスタートしましたが、その時点ではまだ決断がつかずにペンディングになりました。体調との兼ね合いもあり、2回目のマッチングを年末にスタートして、2022年初旬には株式譲渡の契約が成立。株式譲渡に至るまでの流れと短期間で成約に至った要因について、A社の代表K様に伺います。また、リクルートの担当者とM&A仲介会社の担当者様のコメントも併せて掲載します。

譲渡企業

譲渡企業

社名非公開

業種:
化粧品、雑貨の企画・販売
売上:
0〜1億円
社長年齢:
60代
譲渡理由:
後継者不在
譲受け企業

譲受け企業

社名非公開

業種:
EC、小売り事業
売上:
非公開
上場:
未上場
譲渡理由:
事業拡大

株式譲渡された企業の業務内容と設立の経緯を教えていただけますか?

K:業務内容はかなり幅広いのですが、一言で言うと、植物系自然化粧品の企画販売です。私自身も一人の女性として3人の子育てをしながら、仕事を30数年をやってきましたが、女性はその時々のライフステージによって、 忙しさの内容も質も変わってきます。結婚・出産・親の面倒など、忙しくされている方が多いこの世の中で、頑張っている女性への応援になるような製品作りをしたいと考えて、会社を立ち上げました。

株式譲渡を考えたきっかけはどのようなことでしょうか?

K:株式譲渡を考えた大きな理由は、私が病気になったことでした。早めに治療に専念したかったので、仕事から一歩引くことを考え始めました。現在は手術が終わってリハビリに入っているところなのですが、まだ完治には至っておらず、病院に通いながら、週二回のペースで仕事をしています。もともと株式譲渡後も半年くらいは関わらせていただくという契約内容になっていたこともありました。

株式譲渡するにあたって、こだわった条件を教えていただけますか?

K:この会社は自分が生み出した子どものような存在でもあるので、会社とブランドを守っていただけるということを条件としてあげさせていただきました。会社の文化やコンセプトを受け継いでくださる会社というのが条件です。もう1つは従業員の将来をお任せできるということです。これもとても重要な要素でした。

リクルートに依頼された経緯を教えていただけますか?

K:私自身、株式譲渡をする際にどういった企業に依頼したらいいのかという情報をほとんど持っていませんでした。まずはインターネットで検索して、リクルートさんのプラットフォームに登録したと記憶しています。その後、リクルートの担当者の方からご連絡をいただき、「体調のことで不安を抱えているので、譲渡を考えています」とご相談させていただきました。さらにリクルートの担当者の方から、パートナーとして仕事をされている仲介会社の担当者をご紹介いただきました。

候補の会社はどのような基準で選んだのですか?

仲介会社の担当者:いろんな会社を見ていただいて、ご納得のいくところで進めていくという形でやっていこうと考えました。A社は財務面で、利益率をもうちょっと上げられるのではないかと判断したことが、候補を選ぶ際の大きなポイントになりました。卸として事業を展開するよりも、小売りで自社で確立されているブランドを直接エンドユーザーに販売できるほうが利益率が高くなります。小売のネットワークやオンライン通販に強い会社であれば、お互いにメリットがあるのではないかとの判断から、買い手の会社とのマッチングを行いました。

株式譲渡を決断する際に、迷いはありましたか?

K:初回の譲渡候補先の会社さんを紹介していただいたのは2021年の春だったのですが、その時点ではまだちょっと迷いがあったため、一度ペンディングという形にしていただきました。自分の感覚的なものが一番大きかったのですが、ファーストコンタクトの時に、お相手の会社とのシナジー的なものが見えづらかったんです。株式譲渡した場合に、会社で扱っているブランドがどうなっていくのかというビジョンを描けなかったことが、ストップする要因になったのだと思います。

その後、冬になって私の健康状況が悪くなってしまったので、そこから再度、仲介会社の担当者の方にお願いしてお相手を見つけていただきました。納得できるお相手を紹介していただいたので、その時点での迷いはありませんでした。早く決めたいという気持ちが強かったということもあったと思います。その間に主人には状況を話していましたが、決定の判断は自分一人で行っていました。

3社の候補から譲渡先の会社を選んだとのことですが、どのような基準で決断されたのですか?

K:仕切り直しをしたあと、候補として3社あげていただき、2社目の面談で決定したので、実際にお会いしたのは2社だったんですね。もう1社の経営者もとても魅力的な方で、一緒に仕事をしてみたいなと感じました。決定した経営者の方は元気でアグレッシブな方で、勢いもありますし、前向きですし、いい会社だなと感じました。候補となった2社の社長はまったくタイプが違ったのですが、それぞれ好印象を持ちました。

決定させていただいた要因は、会社の業務内容に関する部分です。将来性がはっきりイメージできた会社に決定させていただきました。今回、成約した会社は既にBtoCで成功されている領域がありましたので、そこに弊社の製品が入れば、スムーズにいくのではないかと判断しました。

仲介会社の担当者の方がおっしゃったように、もともと私としても、BtoBよりもBtoCのほうがやりたかったということなのでしょうね。成約した会社はオンラインでも成功されていたので、弊社の弱い部分を強化していけるのではないかと考えて決定しました。BtoC1本に絞ったほうが、お客さまとの距離も近くなるため、製品の企画にも反映されやすくなります。株式譲渡することによるメリットが大きいと考えて決断しました。

従業員の方の反応はいかがでしたか?

K:従業員は、私の体調不良の件は理解していたので、早く治療したほうがいいと言ってくれて、今もスムーズに業務をこなしてくれています。一定の期間を経て、私から引き継ぐところは引き継いでいけるでしょうし、そこで社員も新しい文化に慣れてくるのではないかと考えています。

株式譲渡を決断してから準備したことはありますか?

K:通常の業務に関して、特に変更した部分はなかったのですが、設立して2年半ぐらいで、3年未満の会社であるため、経理的な体勢が整っていないところもありました。デューデリジェンスの時点で、整えなければならないことがいくつかありました。もっときちんとしておくべきだったなという反省点はありました。デューデリジェンスをしながら、ここはこうすべきだったかと認識したところはありました。

株式譲渡が成立した瞬間の感想は?

K:成立した瞬間は、さまざまな感情がありました。
社員をそのまま引き継いでいただけるという点では安心しましたが、人生で初めての株式譲渡ということで、今後会社がどうなっていくかといった不安は正直ありますね。あとは自分の体調面での不安を抱えていたので、経営という責任から解放されてホッとしたと同時に、自分が生み育てた会社が、自分の手から離れていくことに関して、寂しいという感情も出てきました。自分の子が巣立っていくのに近い感覚だと思います。

譲渡が成立してから先方とはどのようなやり取りをしながら、関わっていらっしゃるのですか?

K:譲渡先の企業はオンラインでの販売実績があり、弊社のデザイン力と企画力に魅力を感じていただいているので、お互いのそういった強みを確認しながら進めています。とはいえ、文化の違う2つの会社が1つになっていく中で、どういうやり方で強みを活かしていくのかは、実際にやってみないとわからないところはあるので、密にコミュニケーションを取ることを心がけています。

先方の社長が、“会社が変わったのだから、自分達の会社の色に染めていくぞ”というスタンスではなくて、会社の文化を尊重してくださっているのはありがたいなと感じています。自分たちがやってきたことを守っていってほしいという思いを託しているところです。

会社を設立して立ち上げたブランドの今後についてはどうお考えですか?

K:私発の企画、私発のものづくりからは離れていくと思うのですが、商品のシリーズについては、私が考えているコンセプトに基づいて作り上げてきましたが、引き継ぐことによって、そのコンセプトが変わっていくのは、当然のことだと考えています。ただし、元のコンセプトから逸脱してしまうと、一貫性のないブランドになってしまうことが懸念されるので、その点は現社長にもお話して、ご理解いただきました。

ブランドを作っていく上では、変わっていっていい部分と変わってはいけない部分があります。守らなければいけないところをしっかり共有していくことが、今後の課題だと考えています。

ブランディングはまだ始まったばかりなので、オンライン販売も含めて、たくさんのファンの方に広がっていったらいいなと考えています。

M&A仲介におけるやりとりは、いかがでしたか?

K:リクルートの担当者の方と仲介会社の担当者の方は、仲介するという役割以上に、私の話を熱心に聞いてくださって、真摯に向き合ってくださったので、信頼してお任せすることができました。 自分の中で初めての経験だったため、不明なこと、不安なことが数多く出てきたのですが、その都度ご相談させていただき、二人とも弊社の製品の展示会にも来てくださって、しっかりと見ていただいて、弊社の商品のこともご理解いただき、「いいお相手さんを探しましょう」とおっしゃってくださって、誠実に対応していただきました。

リクルートの担当者の方が常々、「会社への思いを尊重します」「心配しないで大丈夫ですよ」とおっしゃっていただいたことが記憶に残っています。この方ならば、全面的にお任せしたいなと感じました。不安の要素をひとつひとつ、こちらの立場に立って、解消してくださいました。

仲介会社の担当者の方は、ご自身も何度かそういうご経験をされていたということで、こちらの不安を私の立場を理解したうえで解消してくださいました。実務面でも不明点も快く教えていただいて、大変お世話になりました。全体的な契約以外のところでは、別途私の私物が会社に残っていたのですが、そういうところも洗い出して、契約書に盛り込むように助言していただいて、きめ細かな対応が頼もしく感じました。

株式譲渡がスムーズにいった要因はどのようなことでしょうか?

K:ひとえにリクルートの担当者の方と仲介会社の担当者の方のおかげですね。2つの会社をマッチングする時に、どのようにしたらうまくクロージングするかを考えて、しっかり組み立ててくださいました。 お二人の力が大きかったのは間違いありません。あとは、会社がこうあってほしいというビジョンを共有させていただけたことも大きかったと感じています。やはり譲渡した後にどうなるかわからないという不安な部分もありました。自分の手を離れてしまったら、新しい方向性になるかもしれないわけですが、将来的なビジョンも含めて、共有できたので、不安がかなり軽減されました。

M&Aで悩んでいる方にアドバイスをいただけますか?

K:経営に携わっていると、日々の業務で先々のことが流れていってしまいがちになります。いつが譲渡すべきタイミングなのかということに関して、頭のどこかにはあったとしても、つい目の前の経営のことに集中していると、後回しにしがちになります。私の場合は健康のこともあったので、長期的な判断ができたわけではありませんが、5年10年先のことを常なイメージして逆算して、長期的に考えておくといいのではないかと考えています。

リクルートの担当者:M&Aを考えて悩んでいらっしゃる場合には、まずご相談できる方を見つけることが大切です。相談できる方とは信頼の置ける方、安心できる方ということです。あとは、M&Aによるビジョンをはっきり持つということが大切になります。今回の例でいうと、K社長が覚悟を決めていただいたこと、優先順位を決めていただいたことがとても大きかったのは間違いありません。事業承継を考える方すべてに当てはまることだと考えています。

仕切り直し後に年末から動き始めて、2022年初旬に株式譲渡成立というのはかなり早いペースです。短期間で契約が実現した要因は?

K:私が初めての経験なので、早いかどうかの判断はわかりません。

仲介会社の担当者: 全体的に言っても、本件はかなりスムーズでした。リクルートさんからご紹介いただいて、K社長にお会いしたのが2021年春で、クロージングが2022年初旬ですから、トータルの期間も1年かかっていません。他社の例なども見ると、M&Aの案件はご相談いただいてから成約するまで、1年くらいはかかるのが一般的です。今回は仕切り直しして年末からお相手を探して成約まで2〜3か月くらいだったので、かなり早かったケースと言えます。ご体調のこともあり、譲渡の日程が決まらないと、手術のご予定もいられないという事情もありました。年末までに可能性の高そうな会社とご面談していただいて、決めていただいた後は、必要最低限の手続きで進めさせていただきました。デューデリジェンスを担当された会計士の先生ともスケジュールを共有して、ここを目指してほしいという要望を出して、皆さんにご協力いただいた結果、スピーディーに進めることができました。

リクルートの担当者:私が経験させていただいたM&Aで早く成立するケースは一定の特徴があると考えています。まず売主様に関しては、品質・特異性の高い商品を作っていること、良質のサービスを提供しているということです。客観的に見ても、賛同していただける方が多くいるという特徴があります。もう1つは株式譲渡するにあたって、優先事項が明確であるということです。サービスやプロダクトを残していくということ、従業員様を大切に思われているということがK社長の言葉からはっきり伝わってきたので、弊社も仲介会社の担当者の方もその点を明確に認識したうえで業務を進めることができました。

譲渡候補先に関しても、目的とゴールをはっきり決められていて、揺るがなかったのが大きかったと考えています。ひとつひとつの情報共有や手続きは遅延しやすいものなのですが、即日対応していただけました。仲介会社とは多くのご相談案件でご一緒し、信頼していたので、中継ぎをする弊社としても、お任せしていました。仲介会社の担当者の方にしっかり交通整理して手続きしていただいたのが、短期間で成約する要因になったのではないかと考えています。

今後のことに関してイメージされていることは?

K:まずは体を治すことが最優先だと考えていますので、仕事面ではまだ不確定な面がたくさんあります。快復することが大前提になりますが、自分がこれまで36年くらい培ってきた経営的な部分では、何か力になれるところがあるかもしれませんし、希望があれば、お手伝いできたらと考えています。

プライベート面で考えていることはいくつかあります。健康になったら、自分が趣味でやってきたことを教える機会を持てたらということは考えています。今まで仕事と旅行で13か国くらいに訪れているので、20か国くらいは行ってみたいですし、海外留学もしたくてできなかったことのひとつなので、時間ができて、体調面でも問題なければ、海外留学してみたいと考えています。

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