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株価算定とは?株価算定を行う目的から具体的な手法、主な流れまで詳しく解説

2021/10/07
更新日:2021/10/08

はじめに

M&Aや増資などの場面で、対象企業の適正な株価算定を必要とする機会があります。株価算定では様々な手法が存在するため、専門家に株価算定を依頼する前に依頼者自身がそれぞれの違いを理解しておくことが大切です。今回は、株価算定に詳しいクローバー会計事務所 所長 公認会計士・税理士の柴田亮(しばた あきら)さんに、株価算定の目的や具体的な手法について解説していただきました。


1.株価算定について解説

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※pixabayよりイメージ引用

まずは、株価算定の概要や依頼先などについて解説していきます。

(1)そもそも株価算定とは?

株価とは株式の価格を略したもので、株価算定は株主の持っている株式の価値を適正に算定することです。M&Aで株式を譲渡する場合、ベンチャー企業において第三者割当により資金調達する場合、会社法上の損害賠償額を計算する場合、相続の場面などで株価算定を必要とする機会があります。上場会社では、株式市場の株価で評価するのが基本です。一方、非上場会社には株式市場の株価がないため、様々な手法を用いて適切に算定していきます。

株価算定で計算される「株式価値」と混同されやすい用語が「企業価値」です。企業価値とは、会社が所有する事業及び保有資産の全体の価値を指しています。イメージとして貸借対照表で考えた際、企業価値が負債と資本を合計した総資産の部分を指すのに対し、株式の価値は負債部分を引いた資本の部分を指します。

(2)なぜ株価算定が必要?

M&Aや係争などの場面で株価算定が必要です。また、オーナー親族間で株式を移動する際にも、税務的かつ客観的な手法で株価を算定することが必要です。さらに、最近は国際会計や時価主義会計の流れで、上場会社を中心に所有する非上場会社の株価を正確に算定するためにも必要とされます。

その他にも、第三者割当増資など資金調達の場面で株価算定することもあります。当事務所においては、未公開のベンチャー企業が上場を目指して、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家等の外部からの資金調達を行うために株価算定をする事例が多いです。

絶対的に正しい株価を算定して欲しいとの依頼もありますが、そもそもの株価で唯一無二のフェアなバリューというものはありません。買収会社によって、評価の仕方は変わります。例えば、買収することでシナジー効果が見込めるなどの事情があれば、高値で買い取るケースもあるでしょう。

株式公開を目指す会社の第三者割当増資においては、実態を上回った不相当な株価にしてしまうと、次のファイナンスを受けにくくなる可能性が高いことから、中長期的な資本政策も考慮した株価の決定も大切です。

(3)株価算定は誰に依頼する?

株価算定は、特に資格を有していなくてもできる作業です。証券会社やコンサル会社、投資銀行のアナリストなどが請け負うこともあります。税理士が担当する場合、どうしても税務的な評価になるため、税務的な場面に限定した方が良いでしょう。

公認会計士が株価算定するケースもあります。日本公認会計士協会は、日本で唯一の公的マニュアルとして「企業価値評価ガイドライン」を発行しています。裁判所においても会社法上の株価を算定する際には「企業価値評価ガイドライン」を用いています。

(4)株価算定にかかるおおよその費用は?

株価算定の費用は大きく異なるものです。当事務所であれば20〜50万円で株価算定しますが、大手会計事務所や金融会社ですと100〜300万円かかるケースもあります。

高額で依頼したからといって、報告書の内容が大きく変わるわけではありません。評価の担当者が資格、経験や実績を有していれば、同等のクオリティをもつ報告書が期待出来ます。

2.株価算定の具体的な方法

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※pixabayよりイメージ引用

株価算定の具体的な方法として、インカムアプローチ、マーケットアプローチ、ネットアセットアプローチがあります。どのアプローチを選ぶかは株価算定者の判断による部分が大きいです。また、企業の業種や成熟度によって適切なアプローチが異なります。

(1)インカムアプローチの三つの手法

将来の収入やキャッシュフローで評価するという手法です。資産がなくとも将来において大きな成長が見込まれるIT企業などでは、インカムアプローチが向いています。

1 DCF法

今後の成長が見込めるベンチャー企業を始め、DCF法は多くの企業の株価算定で用いられます。DCF法は、将来のキャッシュフローを現在の価値にする手法です。将来のキャッシュフローは事業計画を基にして算出します。

事業計画が適切かどうかを判断する際には専門的な知識が必要です。さらに割引率をはじめとした計算のための前提条件の計算も複雑で、専門的なファイナンスの理論を用いなければならないため、DCF法の算定は、経験のある公認会計士に依頼したほうが良いでしょう。

2 収益還元法

事業計画に基づいて細かく算出していくDCF法に対し、収益還元法では毎年収入が同じように推移していくことを前提に簡便的に算出します。そのため、DCF法に比べて、精度が下がる点がデメリットです。

3 配当還元法

配当の金額から株価を算出する方法です。中小企業では配当を出している会社は少なく、政策的に変更出来てしまいます。税務的な場面では使うこともありますが、M&Aの場面ではあまり使われておりません。

(2)マーケットアプローチの三つの手法

マーケットアプローチには、市場株価法、類似会社比較法、類似取引比較法があります。

1 市場株価法

市場株価法は、上場会社の市場株価から算出する方法です。そのため、上場会社にしか使うことができません。株式市場における株価を用いることから、最も客観的な方法であり、上場会社はまずこの方法で算出することになります。

2 類似会社比較法(マルチプル法)

業種などが類似している上場会社を抽出し、財務内容を比較する方法です。抽出した会社は上場会社なので株価を確認できます。そこで、対象となる上場会社の株価と売上高やEBAITDA等の倍率を算定し、出てきた倍率を該当企業の数値に掛けることによって企業価値を算出することが可能です。

3 類似取引比較法

類似した取引事例において株価を算定する方法です。しかし、株式の譲渡では不動産の売買と異なり、M&Aにおける売買事例はほとんど公開されていません。類似取引比較法を用いて算出するのは難しいのが現状です。

(3)ネットアセットアプローチの二つの手法

ネットアセットアプローチは、貸借対照表における資本の部分から判断する手法です。所有している資産からおおよその時価を把握できる不動産業や、今後の成長性は期待できないけれども資産が潤沢な老舗企業を適切に評価することができます。

ネットアセットアプローチは、将来性がない企業以外で用いることはできないと指摘する専門家も多いです。しかし、帳簿という過去の客観的な材料を用いているため、ほかのアプローチより分かりやすいというメリットがあります。必ずしも赤字企業や清算を予定している会社だけに使う手法とは言い切れないでしょう。

1 簿価純資産法

簿価純資産法では会計の帳簿どおりの純資産を用いるため、今所有している決算書そのままの金額から算出することができます。ただし会計上正しく処理されていなかったり、正しい時価が反映していなかったりする場合では、適切な株価を把握することができません。

2 時価純資産法(修正簿価純資産法)

時価純資産法は、会計帳簿の資産や負債を時価に基づき修正した純資産を用いて評価する方法です。中小企業のM&Aでは、未だに用いられることがあります。時価が反映しないという簿価純資産法の課題に対応した手法と言えるでしょう。

将来性を考慮するものではなく、あくまでも今所有している資産に基づく手法ですが、例外的に「のれん(営業権)」の修正を加えるケースもあります。具体的には、「時価純資産+営業利益数年分」で見立てるケースも多いです(年買法)。年買法を用いて、簡便的に相場のあたりをつける実務家も少なくありません。

修正簿価純資産法における時価評価の方法として、再調達原価法と清算価値法に分類可能です。会社が続くのであれば再調達原価法、会社を清算するのであれば清算価値法で算出します。

会社を継続していくことで回収するのか、それとも会社を市場で売却することで回収するのかという点が主な違いです。

(4)国税庁が定める株価算定方式もある

国税庁が定める株価算定方式は税務的な手法です。代表例に相続税の株価評価が挙げられます。親族間売買や相続では、ここまで紹介してきたアプローチで算出することができないため、国税庁が定める算定方式で計算しなければなりません。

3.株価算定の四つのステップ

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※AdobeStockよりイメージ引用

株価算定する際の手順を、「目的を定める」、「手法を定める」、「必要な書類を集める」、「試算する」の四つのステップに分けて説明します。

(1)ステップ1.目的を定める

株価算定の目的として、2種類が考えられます。一つは、M&Aをしてどのくらいで売却できるかを見立てるために、事前段階で株価算定をするケースです。また、売買金額が妥当かを見定める場合や大企業でM&Aの稟議を通す場合など、最後の仕上げの段階で算定するケースも考えられます。

(2)ステップ2.手法を定める

一般的には、単独の評価法よりも、複数の評価法で算定するとより説得力が増します。専門家に依頼する際には、複数の評価法で算定出来るかを確認しておくのが良いでしょう。ただし、業種や企業の成長ステージにおいては複数の手法を組み合わせることが難しい場合もありますので、具体的な判定においては専門家の判断を仰ぎましょう。

(3)ステップ3.必要な書類を集める

必要書類は評価方法によって異なります。特に、DCF法の場合は事業計画5期分程度の作成が必要なため、管理資料に作り慣れていない経営者は苦労するケースが多いと思います。正式には数十ページのレポートを作成するため、書類が揃ってから株価算定までに2週間程度を要します。短納期であれば3日程度でできることもありますが、特急料金がかかることもあります。

(4)ステップ4.試算する

独立した第三者の公認会計士が報告書を出すことで、取引の信頼性が増します。顧問契約していなくても、スポットで依頼することができるので検討してみてください。

4.まとめ

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※pixabayよりイメージ引用

株価算定のニーズがあっても、正しく目的を理解し、適切な方法で株価を算定できる専門家は決して多くありません。中小企業にとっては、顧問税理士は身近な相談相手ですが、税法基準の評価になってしまうことが多く、適正な金額が算定出来ないことも多いです。M&A業者に依頼すると高額になることがあります。

また、M&A仲介業者の提示通りに特に調査することなく割高な価格で買収してしまうと、その後に経営悪化し資金繰りに窮したり、のれんの減損につながったりする可能性も多いと聞きます。M&Aを検討する際には、経験や実績を積み信頼できる第三者の公認会計士に株価算定を依頼することが安心です。

〈話者紹介〉

柴田亮さん
クローバー会計事務所
公認会計士・税理士
柴田 亮(しばた あきら)

上智大学卒業。地方銀行や中堅監査法人を経て、2006年に新日本監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)入社。上場企業の会計監査業務や株式公開支援業務を経験。
2008年に公認会計士登録。財務系コンサルティングにて中堅・中小企業の株価算定・事業再生・M&A業務を経験。2011年にクローバー会計事務所を開設して所長に就任。2012年に税理士登録を行い、株価算定や株式公開支援を中心として多くの企業のアドバイザリー業務に従事。

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