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工場や製造業は廃業が増えている?廃業すべきかM&Aをすべきか専門家が解説

はじめに

帝国データバンクの調査によると2019年に廃業や休業をした会社は全国で2万3,634件に上ります。この件数は、前年から約2.6%増加しており、休廃業は3年ぶりに増加に転じています。廃業の一番の理由は、経営状態の悪化によるものですが、近年、加速度的に増えているのが後継者不足での廃業です。東京商工リサーチが2019年に行った調査では、中小企業の55.6%が「後継者不在」と回答しています。

企業の廃業が増えている傾向と後継者不在な会社が多い傾向は、製造業でも同様です。製造業を取り巻く現状について、製造業の廃業やM&A事情に詳しいLien税理士事務所代表の齋藤幸生さんにお話を伺いました。


1.製造業の現状

考える男性
まずは、製造業の現状について見ていきましょう。

製造業や工場の数は、長期的に減少傾向にあります。総務省と経済産業省がまとめた「2019年工業統計速報」によると、2009年度に約23万5,000社あった製造業が、2019年度には約18万5,000社にまで減少しています。わずか、10年の間に、日本全体で約5万社の製造業がなくなっているわけです。

この傾向は、2020年に入っても続いており、工場や製造業の廃業は少しずつですが確実に増加しています。その数は、今後加速度的に増えていくと考えられています。

2.製造業の廃業が増えている理由

グラフを指差す男性
次に、製造業で廃業が増えている理由について詳細に見ていきましょう。他の業界と同様、廃業が増えている大きな理由は、業績悪化と後継者不足にあります。

(1)業績悪化

業界を問わず、廃業に至る一番の理由は業績悪化です。ただ、製造業はその業界構造によって、ほかの業界よりも業績悪化による廃業が増えていくスピードが速いと見ています。

日本の製造業、とりわけ上場企業のような大手製造業の場合、「安いものは海外で作る」という文化が根づいてしまっています。さらに、高い価格のものを日本で作ることで付加価値を与えられるかといえば、現状、それも難しくなってきました。

経済産業省が発表した「モノづくり白書」によれば、製造業の中でも1億円以上の資本金がある大企業の営業利益は、ここ数年横ばい傾向です。しかし、先ほど触れたように製造業全体を見れば多数の中小企業がなくなっています。これは、製造業は大企業だけが利益を独占する業界構造に陥っていると見ることができます。

実際に、上場企業から受注を受けている工場を持つような中小製造業の場合、発注企業側から1年に1回は「値引きしてくれ」と圧力がかかるのが一般的です。大企業は少しでも利益を得るために、発注コストを抑えようとします。仕事の大半をその企業から受注しているような中小製造業であれば、首を縦に振らざるを得ません。

単価を下げれば、当然、収益が落ちます。しかし、金融機関への返済や従業員への給与など、支払いは待ってくれません。これでは、いくら技術力がある企業でも立ち行かなくなってしまいます。このように、八方塞がりのような経営状態に陥っている中小製造業が増えているのです。

(2)後継者不足

日本の中小企業の半数以上が、後継者不在です。これは、製造業でも同様です。業績悪化による廃業が最も多いですが、後継者不在による廃業は今後、製造業でも加速度的に増えていくものと予想します。その理由は、経営者の高齢化です。

現在、中小製造業の経営者の平均年齢は60歳を超えています。最も多い年齢層は60歳代半ば。この状況があと10年続き、後継者不在のまま経営者が75歳を迎えてしまったらどうなるでしょうか。多くの中小製造業は、廃業という道を選ぶでしょう。

また、私が実際に見てきた中では、後継者となり得る親族がいた場合でも、後継者として育てきれなかったという事例も珍しくありません。さらに、後継となり得る人がいても、会社に関して何の知識もないため継がせることができなかったというケースも多いです。

このように、製造業が廃業に至るには「業績悪化」と「後継者不足」の2つが主な理由です。中には、2つの理由が複合的に組み合わさって廃業というケースもあります。

3.廃業とM&A、それぞれのメリット

マネーに関するヒントのイメージ
さまざまな要因によって会社を自主的に閉じなければならない。こうなったときに廃業とともに選択肢となり得るのがM&Aです。廃業とM&Aのメリットを見ていきましょう。廃業とM&Aにはどちらもメリットがありますが、よりメリットが大きいのはM&Aです。

(1)M&Aのメリット

M&Aにおける最大のメリットは、会社の売却益を手にすることができる点です。業績が好調で廃業するような会社の場合、会社を清算しても利益が残る可能性もあります。しかし、M&Aによる売却益のほうが高くなることが一般的です。

さらに、不採算部門を切り捨てることによって、事業のスリム化ができる点もメリットでしょう。また、手塩にかけて育てた会社が存続する点もメリットとして挙げられます。

会社の経営状態が悪化すると経営者は「もうダメだ、やっていけない」と思いつめて、すぐに廃業に考えが及びがちです。しかし、すぐに廃業を考えるのではなく、第三者へ売却する道も頭の片隅に置いたほうがいいと私は考えます。

(2)廃業のメリット

多数のメリットがあるM&Aと比べると廃業のメリットは多くありません。唯一といってもいい廃業のメリットは、会社を畳むまでのスピードが速い点です。M&A成立までの平均準備期間は約半年。長いケースだと1年ほどかかることも珍しくありません。しかもそれは、売却相手が決まってからかかる期間です。売却先が決まらなければ、準備に移行することもできません。

廃業は、会社を畳むことが前提です。最短で4ヶ月で廃業することができます。いち早く会社を整理して、次のステップに進みたいという人にはメリットでしょう。

4.M&Aが浸透しない理由

交渉のイメージ
客観的に見れば、廃業よりメリットが大きいM&Aですが、日本ではまだまだ浸透していません。その理由は、経営者が会社を売却できる可能性に気づいていないことにあります。全体の収支が赤字であることを理由に、経営者が「赤字の会社なんか売れるわけがない」と決めつけてしまうのです。

経営者だからといって、会社に関するすべての数字に明るいわけではありません。全体の収支しか見ずに、どの製品が赤字でどの製品が黒字なのかわかっていない経営者は意外なほど多いです。会社全体としては売却できない場合でも、黒字部門の事業を切り離して売却することも可能です。まずは、赤字部門と黒字部門を整理して、売却できる事業はないか確認することをおすすめします。

5.まとめ

廃業は決めてしまえば、いつでもできるものです。準備から廃業まで最短で4ヶ月もあれば、手続きは完了します。しかし、M&Aはそうはいきません。一度廃業した会社の売却はできません。そのため、会社を閉じなければならない状況であれば、まずはM&Aを検討することをおすすめします。会社全体を見れば赤字で、「到底売ることができない」と経営者が判断した場合でも、事業単位で売却することも可能です。

ただ、会社が売れるか売れないかを判断することは、高度な分析力と専門知識が必要です。顧問税理士やなどのM&Aの専門家が身近にいるようでしたら、自分だけで判断せずに専門家に相談してよりよい決断を下しましょう。


〈話者紹介〉

齋藤幸生(さいとうゆきお)
齋藤幸生(さいとうゆきお)

Liens税理士事務所代表 インバウンド税理士

税理士として独立以前から日本に進出する海外企業の支援活動を継続。創業や起業のスタートアップ、国際税務などを数多く担当。フォワーディング業、貿易業、建設業を中心に税務顧問や経営コンサルティング。経営革新等支援機関としては経営力向上計画、先端設備等計画、ものづくり補助金申請を中心に作成、提出、コンサルティング。クラウド会計MFクラウド公認メンバー。経営革新等支援機関 税理士会新宿支部 情報システム部 幹事。東京税理士会所属。東京商工会議所新宿支部 商業分科会。

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