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株式譲渡した際の確定申告方法とは?税額の計算方法や必要書類について解説!

2020/04/08
更新日:2021/02/09

はじめに

株式を譲渡することで利益が発生した場合、基本的には確定申告をする必要があります。確定申告は、申告方法によって還付金を受け取れたり欠損金を繰り越せたりするなど、メリットを受けられることもあるため、正しい知識を身につけておく必要があります。

今回は、株式譲渡以外にも顧客の利益を多く残せるような税務申告方法のアドバイスなど、税金に関して精通している税理士法人新宿総合会計事務所の清水様に、株式譲渡における確定申告や具体的な税額の計算方法、確定申告時の必要書類や記入方法についてお話を伺いました。


1.株式譲渡した際の確定申告とは~確定申告の定義から解説~

手を差し伸べる

株式譲渡の利益を得て確定申告をする場合、まずは確定申告の概要について理解しておくことが大切です。ここからは、まず確定申告とはどのようなものなのか、確定申告と年末調整との違いは何なのか、そして株式譲渡と確定申告の関係について説明します。

(1)そもそも確定申告とは?

会社から給与を受け取っているサラリーマンやOLであれば、会社側が年末調整という方法で年間の所得税を調整してくれます。会社からの給与以外の収入を得ている人や、年収が2,000万円を超える給与収入を得ている人は、確定申告をすることで所得税を計算しなければなりません。確定申告をすることによって所得税を納付したり、払いすぎた所得税の還付を受けたりする必要があるのです。確定申告が必要となる対象者は、主に不動産所得のあるオーナーや自営業、個人事業主です。株式譲渡によって譲渡益を得た人も該当します。

(2)確定申告と年末調整の違い

年末調整は、給料から毎月天引きされている所得税を年末に再計算し、過払いとなっている部分は還付、不足している部分はさらに給与から徴収するなど精算をする手続きです。給与所得者は、年末調整が終了すると源泉徴収票を受け取ります。しかし、株式譲渡益がある人など給与以外に収入のある人の場合、給与所得と株式譲渡益を合算して確定申告をする必要があるのです。

(3)株式譲渡と確定申告の関係

証券会社や銀行の口座には一般口座と特定口座があります。一般口座の場合は個々の取引の報告書を用いて一銘柄毎に損益計算を行ないます。

特定口座は、証券会社が1年間の取引でどれだけの利益や損失があったかを計算し、それをまとめた年間取引報告書を作成してくれる制度です。特定口座には、源泉徴収ありと源泉徴収なしの二種類があります。源泉徴収ありで1年を通して利益を得た人は、所得税が徴収されているため、確定申告をしなくても良いことになっていますが、確定申告をすると得になるケースもあります。一方、源泉徴収なしで株式譲渡益を得た人の場合は、確定申告をしなければなりません。すなわち、特定口座の源泉徴収ありを選択しない限り、株式譲渡益が出た人は確定申告をする必要があります。

(4)確定申告をした方が良いケースは?

複数の証券口座がある場合、ある口座で損失がでていても、別の証券口座で利益が出ている場合や株式の配当等と損益を通算することができます。そのため、確定申告をすることで納付すべき所得税を減額できるようになったり、払いすぎた所得税を還付してもらえたりするケースもあります。その場合は、源泉徴収ありの特定口座であったとしても、確定申告をした方が得になることを知っておくと便利です。

そのほかに確定申告をした方が得になるケースとして、過去に株式譲渡損失があった場合が挙げられます。株式譲渡損失は3年間繰越すことができます。源泉徴収ありの特定口座を利用している場合は確定申告しなくても良いのですが、繰越した損失と式譲渡益を通算することによって納付する所得税が減額なったり、源泉徴収された所得税が還付されたりします。

ただし、株式譲渡での損失を繰り越す場合、毎年確定申告で損失を申告しておかなければ繰り越せなくなるという点には注意しておく必要があります。また、譲渡損失が発生した場合、確定申告するかどうかの判断はその人に委ねられるのですが、申告することによって所得税が還付されても社会保険料や高齢者の医療費負担割合が上がる場合があるということにも注意が必要です。

2.株式譲渡でかかる税額

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株式譲渡益を得たとき、どれくらいの税額になるのかを計算しておくことで、税金の負担額を想定できます。ここからは、株式譲渡益にかかる税金の種類と税率、株式譲渡益に対する税額の計算方法について説明します。

(1)株式譲渡益にかかる税金の種類と税率

株式譲渡益にかかる税金には、所得税と復興特別所得税、それに加えて住民税があります。具体的な税率としては、所得税と復興特別所得税が15.315%、住民税が5%となっており、合計で20.315%の税金が株式譲渡益に対してかかります。

(2)分離課税か総合課税かによって税率が変わる

譲渡した株式が上場株式の場合、分離課税が適用(ただし大口で保有している場合は総合課税が適用)されます。譲渡した株式が非上場株式である場合は、総合課税が適用されます。
確定申告には課税方式がいくつかあり、大きく分けると総合課税と分離課税に分類されます。総合課税では、給与所得、事業所得、不動産所得など、それぞれの所得の合計額に対して累進課税で税額が計算されます。そのため、合計所得が多くなればなるほど税率が高くなり、所得税と住民税の税率を合計すると最大で55%にもなるのです。分離課税の場合、いくら所得が高くなったとしても税率が20.315%です。これは、税率を低くして株式取引を活発に取引させることで、経済を活性化させたいという目的があるのでしょう。分離課税の税率は時代によって変化しており、平成25年までは10.147%でしたが、令和19年までは20.315%、令和20年からは特別復興税がなくなるため税率の合計が20%になることが決まっています。

(3)株式譲渡益に対する税額の計算方法

株式譲渡益は、「譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)で計算します。ここで計算した譲渡所得に対して税率を掛けることで、納付すべき税額を算出できます。譲渡収入金額は株式を譲渡したときの売上のことで、取得費というのは、株式を手に入れたときにかかった費用のことです。譲渡費用は株式を譲渡する際に証券会社などに支払った手数料などの諸費用のことをいいます。

3.株式譲渡益を確定申告する際の必要書類とは?

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株式譲渡により確定申告をする場合、取引方法によって必要書類が変わってきます。ここからは、特定口座で取引した場合と一般口座で取引した場合に分けて、必要な書類について説明します。

(1)特定口座で株式譲渡した場合の必要書類

株式譲渡を特定口座で行った場合、年間取引報告書が必要です。特定口座の取引で発生した譲渡益について、確定申告をする際、株式譲渡所得を計算して申告書に記入すると同時に計算明細書を添付して提出しなければならないことも知っておきましょう。
総合課税方式の対象となる非上場株式を譲渡した場合は、証券取引所を介さないことから年間取引報告書がないため、譲渡契約書のような譲渡価格や取得費、譲渡費用が分かる譲渡所得計算の根拠となる書類が必要です。

(2)一般口座で株式譲渡した場合の必要書類

一般口座で取引した場合は、株式を購入したときの金額が分かる書類と、株式を譲渡したときの金額が分かる書類が必要です。証券会社を通して株式の取引をする場合は、いくらで何株購入したのかという取引報告書が発行されるため、この書類や帳簿を利用して譲渡所得を計算し、納付すべき税額を計算して確定申告書を作成します。
非上場株式を譲渡した場合は、特定口座と同様に計算した株式譲渡所得を申告書に記入すると同時に、計算の根拠となる明細書を添付して提出する必要があります。

4.株式譲渡益を確定申告する際の書類の記入方法

検討中

ここから説明する確定申告書の記入方法を理解し、適切に確定申告できるようにしておきましょう。

(1)第一表に記入する内容

第一表に記入する内容は、以下の金額です。

  • 収入の金額
  • 所得控除額
  • 所得金額
  • 所得税額

この書面は、1年間で得た収入の合計額や各種控除額の合計を記入するもので、確定申告書のメインの書面です。

(2)第二表に記入する内容

第二表では、収入を記入する欄にどこからいくら収入を得ているのかという内訳を記入するようになっているため、給与以外に不動産収入がある場合など、複数の収入がある場合に漏れなく記入しなければなりません。
所得控除に関しては、生命保険料控額や社会保険料控除額を記入します。社会保険控除額には、国民年金保険料控除額や国民健康保険料控除額、国民年金基金控除額や介護保険料控除額など所得控除額の内訳を記入します。そのほかにも、ふるさと納税の情報といった住民税に関わる内容も記入するようになっています。

(3)第三表・第四表に記入する内容

第三表では、株式譲渡所得や不動産譲渡所得など分離課税の計算をおこないます。

第四表は、欠損金が発生した場合に使用します。青色申告の場合、繰り越した欠損金を控除することができます。

(4)国税のホームページを利用して申告する人が増えている

最近では、確定申告を簡単に行うために、国税庁のホームページから確定申告をする人が増えてきています。入力した内容をプリントアウトして提出する方法もありますが、e-TAXを利用すれば、わざわざ確定申告会場や税務署に書面を持参したり郵送したりする必要がなくなるといった特徴が利用者を増やしているのでしょう。
上場株式の株式譲渡益に関しても、指定の項目に入力するだけで自動的に譲渡所得や納付すべき税額を計算してくれます。そのため、証券会社の年間取引報告書などを参照しながら順番に入力していくことで、申告書を簡単に作成できるようになっています。最近ではスマートフォンでも申告できるようになったため、より手軽に確定申告が行えるようになりました。国税庁の確定申告ページでは、株式譲渡益を得た人に必要な情報がまとめられたページもあります。その情報を参考にすることで、正確かつ適切に確定申告ができるようになるでしょう。

5.まとめ

株式譲渡により発生した所得を確定申告する場合は、どのように申告するかによって、税務上得するケースと損するケースがあり、多くの選択肢の中からどの申告方法が最も適しているかを判断しなければなりません。最も有利な形で確定申告をするためには、確定申告に精通した専門家に相談するのがおすすめです。

ここで解説した内容を参考にして、株式譲渡で得た利益を適切な方法で確定申告できるようになってください。

話者紹介

清水様
税理士法人新宿総合会計事務所
税理士、M&Aシニアエキスパート
清水智明

システムエンジニアを経て2001年新宿総合会計事務所に入職。
事業承継やM&Aの支援業務に従事している。

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