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事業承継における知的財産権とは?進め方のポイントと流れも解説

はじめに

事業やビジネスを開始して、長年にわたって軌道に乗せていくことは簡単ではありません。景気の悪化や人材不足、潮流の変化など、さまざまな事情によって倒産や廃業へと追い込まれてしまうこともあります。そういった状況で頼りになるのがM&Aであり、企業を存続させて業績を回復させる手段となることがあります。

それまで築いてきた事業やビジネスを守る役割を果たすのが事業承継であり、その中でも知的財産の考え方や承継方法に詳しいSeven Rich法律事務所の石原様にお話を伺いました。


1.事業承継における知的財産とは

事業承継における知的財産についてコンサルタントが解説

事業承継を行う上で知的財産はとても重要なものであり、適切に受け継がれていく必要があるものです。具体的な権利としては特許商標や著作権、意匠権や実用新案件、商標権といったものが挙げられます。また、人脈や営業秘密、ネットワークといった直接的には見えないものも、広い意味での知的財産と見なされることがあります。

事業を継続していくにあたって必要とされる知識や考え方、ノウハウなど知的財産に当たるもの当たらないものも含めて、事業承継する側もされる側もその権利を大切に扱うことが求められます。
事業承継をする際に承継するものは大きく3つに分られます。

(1)知的財産権の承継

事業承継を行うためには知的財産権の承継を行う必要があります。目に見えない権利も含めて承継することになりますが、金額的に算定するのが難しいケースも出てきます。例えば、人脈に関しては金額換算するのが難しい知的財産であり、ざっくりとした計算になってしまうことがあります。

シナジーのある会社であればクライアントごとに金額が決まっている場合もあり、例えば、「1クライアントあたり100万円で承継します」といった提示を行うケースもあります。承継する売手企業のクライアントが大手企業の場合は、強いパイプを持っていることから企業価値が上がることもあります。

知的財産権の承継については、営業権に関する承継も行います。法務とも関連してきますが、デューデリジェンスをする際に契約書や取引先の情報についてチェックされるので、適切に引き継ぎを行っておく必要があります。

法務系のことは弁護士に依頼して手続きを進めてもらうこともポイントです。承継される会社がどういった知的財産を持っているのか全容を把握するのは簡単なことではなく、専門的なから知見から情報を洗い出してもらうことが重要です。

特許や商標等、知的財産権の譲渡

特許や商標などの知的財産権を譲渡する場合には、一定の費用負担が発生します。ライセンス事業を行っている企業の事業承継を行う場合、月間ベースでの特許使用料の価格設定を行うことが一般的です。いわゆるライセンス料と呼ばれるものですが、ライセンス料の権利の価値に基づいて承継する側が支払う金額が決まります。

商標についても特許と同様の考え方であり、その商標に関してどのくらいの価値があるのかを算出した上で、最終的な金額が決まります。価値の判断に関しては難しい部分もあり、弁護士も交えつつ客観的な基準のもとで計算を行うことが重要です。

例えば、飲食店の事業承継を行う場合、飲食店で提供する料理の味には特に決まった価値があるわけではありません。料理の味は個々によって評価が分かれるものであり、絶対的な価値基準はないでしょう。そうした場合に頼りになるのは利益や売上といった数字的な部分の評価であり、飲食店側としては、数字を提示しつつ自らの店の良さをアピールすることが求められます。

飲食店に限らず、自分たちにとって価値があると思う特許や商標といった知的財産がある場合は、積極的にアピールすることがポイントです。そうしないと、事業承継される側としては淡々と手続きが進められていくだけであり、本来の価値や評価を得られない可能性が出てきてしまいます。

事業承継する側としても、一定の価値があるものには相応の評価が付くものだと認識して、手続きを進めることがポイントです。

(2)人や経営の承継

事業承継においては、知的財産権の承継以外に人や経営の承継も挙げることができます。人や経営の承継とは、後継者に対する経営権を承継することを指しており、一般的な企業の場合であれば代表取締役が交代することにあたります。

個人事業主の場合でも同様に、後継の企業や人については、経営権を取得することで合法的に事業を引き継ぐことができます。

特に、中小企業や個人事業主からの承継を行う場合は、現経営者に事業のノウハウが集約されていることが多い傾向にあります。そのため、現経営者との調整をうまく行い、また事業に関する知識やノウハウの承継をうまく行っていくことで、承継後の事業も円滑にスタートさせることができます。そのためには、事業承継に向けて充分な準備期間を確保することが大切です。目安としては5年から10年程度の準備期間があると良いでしょう。そのためにも、できるだけ早めに後継者候補の選定を開始することが大切です。

(3)資産や株式の承継

事業承継にあたっては、資産や株式の承継も重要なポイントです。事業を行うためには一定の資産が必要であり、設備や不動産といった事業用の資産も承継することになります。また、株式会社の事業承継を行う場合は、自社株式の承継も含めて手続きを進めていきます。

承継する資産の内容や状況によっては贈与税や相続税が発生することがあります。後継者に十分な資金があれば問題ありませんが、場合によっては税負担の影響で経営の安定性を欠いてしまう可能性も出てきます。後継者の資金面で問題がある場合は、事業承継をスムーズに行うためにも、株式や事業用の資産を分散承継するなどの工夫が必要です。これらは、税理士と相談しながら最適な選択をすると良いでしょう。

2.知的財産権の事業承継のポイント

石原一樹さん

事業承継における知的財産権の承継をスムーズに進めていくためには、いくつかのポイントがあります。そのうちの1つに知的財産権の可視化が挙げられます。自社の知的財産を可視化することで、事業承継に向けた手続きや価値の算定も行いやすくなります。

(1)事業の知的財産の棚卸

知的財産を可視化するために必要なこととして、事業に関する知的財産を棚卸することが挙げられます。人材や技術、顧客とのネットワークや組織力、ブランドなどの目に見えないものを含めて、自社にはどういった知的財産があるのか1つ1つ棚卸をしていくことで事業承継に向けて必要な事柄を挙げることができます。

また、社長個人で持っている知的財産や人脈、顧客とのネットワークがあることもあるでしょう。そうした知的財産に関しても棚卸をして適切に承継することがポイントです。
ライセンス料や商標権といった部分はもちろんのこと、承継する際に価値があると判断されるものはできるだけ多く洗い出しておくことが大切です。

また、事業やビジネスによって知的財産の考え方が変わってくる部分もあります。例えば、システム開発を行っている企業であれば、ソースコードなどは著作権に該当します。著作権はソフトウェアなどを含めて営業権として価値が算定されることになり、次の企業へと承継されていきます。

事業やビジネスによって価値がつく部分とそうではない部分があるので、税理士や弁護士といった専門家に相談しつつ、知的財産の棚卸を進めていく必要があります。棚卸をすることで何が知的財産なのかそうでないのか改めて気づく部分も多いので、時間をかけて行うことがポイントです。

(2)後継者の選定と資産・知的財産の承継

知的財産の棚卸を終えて企業としての価値を算定することができたならば、実際に後継者の選定や資産、知的財産権の承継を行うことになります。事業承継に関しては後継者との意思疎通も重要であり、自社が保有している資産をできるだけ活用してもらうことで、スムーズな事業のスタートにつなげてもらうことができます。

知的財産権のみならず、資産や人、経営権に関する承継もスムーズに行えるように準備を怠らないことがポイントです。必要に応じて外部の専門家の支援を受けることで、手続きを円滑に進めてもらうことができます。事業承継の際は資産や知的財産権、事業承継人などに関するレポートや報告書の作成等も必要です。自分たちでやるべきことと外部に委託することを分けて考えることで、事業承継を円滑に行っていくと良いでしょう。

3事業承継時に知的財産権を譲渡する流れ

事業承継時に知的財産権を譲渡する流れとしては、特許庁に申請を行って手続きをすることが基本となります。会社がそのまま事業を引き継ぐ場合であれば、内部で引き継ぎを行うだけとなるので、「知的財産権を含めた権利を売ります」という契約を締結すれば問題ありません。

基本的には書類ベースで手続きが進められていくことになり、必要に応じて特許庁からレポートや報告書の提出を求められることがあります。それらは都度対応していくことでスムーズに知的財産権を譲渡することができます。

(1)弁理士は必要?

事業承継や知的財産権の譲渡などを行うケースにおいて、弁理士が必要かどうか議論になることがあります。結論としては弁理士がいた方が便利だといえます。事業承継においては、さまざまな手続きや書類の記入が必要とされ、承継に向けた話し合いも重ねることになります。

そうした作業を全て自分たちで行えるという場合は問題ありませんが、ほかの仕事と並行しながら行うなど、片手間でしか時間が取れない場合は弁理士がいた方がスムーズです。契約書などの書類に関しても、どの書類を提出してどの書類は保管しておくのかといった整理も大変です。

弁理士がいれば商標権や特許権の交渉や申請、出願といった手続きも代理で行ってくれるので、事業承継の中身の交渉に集中しやすくなります。特に外資系企業と交渉する場合は、弁理士を採用して必要な手続きを行ってもらった方が良いでしょう。

国によって制度や文化の違いがあるケースも多く、専門的な知識がないと不利な状況になってしまうこともあるので、専門家の力を借りることが有効です。

事業譲渡で特許を残しておくケース

事業譲渡で特許を含めた知的財産権をそのまま引き継ぐケースもありますが、場合によっては特許権を残しておくこともあります。例えば、発明家が発明した商品や技術などで、ビジネスにできないケースがあります。その場合は、発明家自身が特許を持った上で、そのほかの事業や会社自体を承継することがあります。ビジネスにできないと判断された技術に関しては、その技術だけを一定の値段で買い取るということもあります。そのあたりは専門家も交えた中で、当事者間の話し合いのもとで最終的な決定が下されます。

また、IT事業に関しては事業承継の事例はそれほど多くありませんが、今後、事業のうち、特許権を残しておいたりサービスを売ったりするケースが出てくることが想定されます。企業が運営しているWebサービスやメディアなどが特許と判断された場合、特許を残しておくかどうか自社内で話し合った上で、最善の形で事業譲渡につなげることもできるでしょう。

4.まとめ

事業承継における知的財産権の承継に関しては手続きもそうですが、さまざまな考え方や業種ごとの違いを意識しながら進めていくことが大切です。人の承継や資産の承継と比較して、知的財産の承継は目に見えにくい部分でもあり、初めて承継する場合には不明な点も多々出てくることがあります。

そうしたケースにおいては自分たちだけで判断するのではなく、弁護士や弁理士、税理士などの専門家を活用することが重要です。自分たちでは価値がないと思っていたものであっても、専門家の目から見れば価値があると判断されることもあります。商標権や特許権の評価などを含めて、企業価値に合った形で知的財産権に関する承継を行えるように行動を起こしていきたいですね。

 


話者紹介


Seven Rich法律事務所
代表弁護士・弁理士 石原 一樹(いしはら かずき)

京都大学法学部、神戸大学法科大学院を卒業。弁護士としての道を歩み始め、株式会社コラビットのジェネラルカウンセル、リース株式会社のジェネラルカウンセル、株式会社ココナラの監査役、株式会社ミラティブの監査役など、多数企業の監査やアドバイスを行う立場として活躍中。
Seven Rich法律事務所では代表弁護士を務めており、第二東京弁護士会にも所属。法律というツールを武器にして多くの人たちと関わり合い、成長できるような環境を求めて弁護士活動を行っている。

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