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不動産管理会社のM&A動向・事例を紹介!高く売却するためのポイントも解説

はじめに

不動産業界のなかでも、不動産管理会社のM&Aは人気案件として注目されており、景気の動向に関わらず活発にM&Aが行われています。不動産管理会社はビジネスモデルが特徴的なため、他業界とは違った経営上の課題やM&Aのニーズがあるため、会社を適正なタイミングで売却するためには独自のM&Aニーズを把握しておく必要があります。

そこで今回は、不動産業界のM&Aに精通しており、これまでに数多くの不動産会社のM&Aを手掛けてきた実績がある株式会社M&Aパートナーズの松尾直樹さんに不動産管理会社のM&Aの現状や高く売却するためのポイントについて詳しく解説していただきました。


1.不動産管理会社とは

立ち並ぶビル

不動産管理会社とは、ビルやマンションといった不動産の維持管理を請け負う会社を指しており、清掃や修繕といった日常的に発生する管理業務やメンテナンス業務をオーナーの代わりに実施します。主に賃貸管理やマンション管理、ビル管理といった業種の会社が不動産管理会社にあてはまります。

不動産管理会社は日常的な維持管理業務だけでなく、入居者の募集や契約業務、退去立会いや清算といった借主の入居・退去に関する業務もおこないます。また、家賃支払いの滞った入居者への督促や住民同士のトラブル、クレーム対応などの入居者対応を実施する場合もあり、オーナーに代わって不動産を適正に管理運営するための様々な業務を請け負っています。

不動産管理会社のビジネスモデルは、オーナーからの管理委託費が中心ですが、委託内容が多くなると管理委託費が高くなります。また、入居者の募集を請け負っている場合には仲介手数料や地域によっては更新料制度も商習慣として残っており、これらが主な収入源です。

不動産管理会社は毎月支払われるオーナーからの管理委託費が主な収入源であるため、基本的には売り上げが大きく上下することはありません。景気に左右されやすい不動産業界の中では安定したビジネスモデルであるとされ、M&A市場において人気業種の一つとして注目されています。

2.不動産管理会社のM&Aの現状

積み上がる資産

安定したビジネスモデルの不動産管理会社はM&A市場でも人気を集めている業種の一つです。ここでは、不動産管理会社のM&Aの現状について紹介していきましょう。

(1)不動産管理会社は、ストック収入が見込めるため買手が多い

不動産管理会社はストック型収入が見込めるビジネスモデルです。ストック型とは、毎月決まった額の収入が継続的に見込めるビジネスのことで、ストック型収入のビジネスとしては毎月の家賃収入が見込める不動産賃貸業や電気・ガスなどのインフラ業界、インターネットや携帯回線などの通信業界が挙げられます。

不動産業界は販売や仲介など来期・再来期の売り上げが読めないビジネスモデルの会社が多い中で、不動産管理会社は毎月確実に収益が見込めることから人気です。収益が安定していることから経営を安定させるための効果があるため、不動産販売や仲介などフロー型ビジネスを中心に事業展開している会社がストック収入を得るために不動産管理会社を買収するケースがあります。

また、既に不動産管理事業行っている同業他社が、シェア拡大や地域内での管理物件数を増やすためにM&Aに参入してくる場合もあります。不動産管理はスケールメリットが働きやすいからです。管理する戸数が多ければ多いほど管理コストが低減できるため、より多くの戸数を管理する方が利益の出やすいビジネスモデルなので大手を中心に積極的にM&Aをおこなっています。このように不動産管理会社は、買手が多く、M&Aが活発におこなわれているのが状況です。

同業からだけでなく、他業種も多い?

不動産管理ビジネスは他業種からの参入が多く、不動産管理会社の経営者は「そこまで儲からないのになんでこんなに人気なの?」と疑問を抱くかもしれません。確かに、不動産管理事業だけで事業展開をしているとスケールメリットがなければ利益を出すことは難しく、ある程度まとまった戸数を管理する必要があります。

しかし不動産管理業界は付随するビジネスが多く、例えば多くのオーナーとの付き合いが発生することからオーナー向けのビジネスをおこなっている業界からは顧客獲得のチャンスが広がります。また、リフォームや外壁塗装、消耗品や備品購入などで収益をあげることも可能で、宅地建物取引業の資格があればオーナーの所有する土地の管理や売買に関する相談に乗り、仲介をおこなうことで収益を得ることができます。

また、首都圏であれば1年〜2年に一度は更新料が発生することが多いです。更新料や更新手数料は、契約更新のタイミングで借主がオーナーや管理会社に支払う手数料のことで、家賃の1ヶ月分程度が相場です。この更新料は地域独自の商習慣として残っている場合があり、原価が発生するものではないので利益を産むための貴重な習慣として今でも残っています。

ただし、大阪や福岡など、地方の都市によっては更新料を取らないことが一般的な地域もあり、このような地域では不動産管理による利益は上げにくいとされています。商習慣としての更新料がない地域で利益をあげるためには、仲介や買取・再販などが収益の柱になることから、不動産管理事業でオーナーとの接点を持ち、関係性を深めて情報をもらうなど、仲介や買取・再販を任せられることで収益を上げていくビジネスモデルを構築しています。

このように不動産管理そのものではなく、不動産管理ビジネスに付随するビジネスチャンスを狙って他業種から参入してくるケースも見受けられるのが特徴といえるでしょう。

売手はどんな事情で売却を検討している?

M&Aにおいて人気業種のひとつといえる不動産管理業界ですが、売手の売却ニーズとして最も多いのが事業承継問題です。他の業界と同じように、不動産業界でも後継者がいないことが売却を決断するひとつの理由です。

不動産管理業界独自の売却ニーズには「高く売れる時に売りたい」というものがあります。これは、不動産管理会社の経営者やオーナー自身、不動産管理業界が注目されていることを理解しており、高く売却できる可能性があるということをわかっているからです。通常のM&Aは売却予定の会社の価格は評価によって決められますが、不動産管理会社のM&Aは管理している物件1戸当たりで売却単価を設定している地域もあり、それでも売買が成立する点が不動産管理業界のニーズの高さを伺わせます。

このように買手がつきやすい市場環境なので、オーナーも事業承継や事業の選択と集中など様々な事情で売却を検討している場合でも、より高値で売却できるM&A先を探しているのが現状です。

事業の選択と集中という意味での売却としては、投資用マンションを開発しているディベロッパーも不動産管理業務を売却する場合があります。ディベロッパーはマンションを建設して販売することを主な事業としていますが、完成した物件の管理をそのまま自社でおこなう場合があります。このような場合、本業のマンション開発に専念するために管理部門を切り離して売却するケースがあり、このような案件は人気案件として高く売買がおこなわれます。

(2)不動産業界は、堅調に市場も伸びており、管理ニーズも高い

不動産業界全体の市況感を見ていると、成長段階から状況が少し変化しています。最近は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染拡大の影響でオフィス賃貸の需要が減っており、飲食店もテナントに入居している場合には売り上げの減少から賃料の支払いに困窮しています。

新型コロナの影響で仲介や売買が減少しており、不動産業界全体の成長にはブレーキが掛かっています。個人も法人も、このタイミングで思い切った投資がしにくいということで、不動産ニーズが減少しており、特に不動産業界の中小企業は大きな打撃を受けている印象です。

不動産業界の中でも堅調なのが賃貸業と不動産管理業です。しかし賃貸業は商業物件を所有していると賃料が払えなくなる入居者が増えるリスクを抱えています。今は政府の新型コロナ対策によって賃料を一部負担してもらうことが可能ですが、長期化して支援がなくなった場合に退去を選択する入居者も増えるでしょう。長い目で見るとテナントオーナーなどは今後も厳しい状況が続くかと思います。

一方で、一般入居者向けのマンションなどを所有しているオーナーは、新型コロナの影響で入居者がすぐに出ていくとはあまり考えられず、影響は限定的といえます。新型コロナの流行が年単位で続くと市場にも影響を与える可能性はありますが、特に都市部は東京を中心に人口流入が続いているので、今後も一般向け賃貸市場は大きな影響を受けることは考えにくいでしょう。

不動産管理業務は、不動産がなくならない限り収益への影響は限定的です。基本的に入居者募集についてはオーナーがリスクを背負っているため、空室があってもなくても委託管理料が入ってくる不動産管理会社には大きな影響がありません。不動産の仲介を請け負っていると、むしろ退去時のクリーニングや新規入居者を募集する広告、入居者が決定した場合の仲介手数料などで収益が上がる可能性もあり、市場全体として安定に推移している状況です。

3.不動産管理M&Aの目的

計画を立てる

不動産管理M&Aを実施する目的としてはどんなことが考えられるでしょうか。ここでは、不動産管理M&Aの目的と考えられる2つの観点について解説していきます。

(1)シェア拡大

不動産管理業界はシェアの拡大によって利益を上げる業界です。管理戸数の積み上げによって管理コストが削減できるため、利益率を高めるためにはより多くの戸数を管理する必要があります。また、特定の地域にある程度管理する物件が集約されていると移動コストの面から生産性を向上させることができるため、ドミナント戦略のように特定の地域の不動産管理会社を集中的にM&Aによって買収して利益率を高める場合もあります。

不動産管理業界でスケールメリットを得るためには、管理戸数は50戸や100戸では到底足らないため、1,000戸〜5,000戸の会社は利益を出すのに苦労している印象です。ある程度の収益を上げるためには、5,000〜10,000戸、可能であれば20,000戸以上の物件を管理する必要があります。このように、多数の物件を管理しなければ収益を上げることが難しいため、シェア拡大を目的としたM&Aが活発におこなわれます。

(2)人手不足解消

他の業界では人手不足を解消するためにM&Aをおこなうケースもありますが、不動産管理業界では人手不足の解消を目的としたM&Aはあまり見られません。不動産管理業界の傾向として、システムやIT導入によって管理業務を効率化する流れがあり、従来は人が行なっていた業務をシステムが代わりにおこなうケースが増えています。もちろん、クレーム対応やメンテナンス、補修など実務に関する対応についてはまだまだ人手が必要ですが、管理業務については効率化が進んでいることから人手不足の解消を目的としたM&Aはあまりないと感じています。

ただし、少数の物件を管理している場合、オーナーが事業承継せずにM&Aで会社を売却するケースはあります。この場合は取り扱い戸数が少なくスケールメリットが得られないことから、大手企業の傘下に入ることで大手企業のもつノウハウ、システムを取り入れることが可能なため、管理物件のサービスレベル向上が期待できます。オーナーにとっては大手企業のグループに入り、ユーザーが満足できるような管理会社に変わることはメリットが大きいことから、M&Aによる売却を積極的におこなうケースもあります。

4.不動産管理会社のM&A事例

湖畔の不動産

実際に、不動産管理会社のM&A事例としてはどんな例があるでしょうか。ここでは実際のM&A事例を2つ紹介していきます。

(1)事業集約のためのM&A

東京にある管理戸数3000戸程度の不動産管理会社が、あまり収益が出ないことから事業集約を目的としてM&Aを実施した事例があります。この企業の場合は本業が不動産売買なので、人を雇用して人件費や管理に必要なコストを投入してまで不動産管理事業をおこなうメリットを感じていませんでした。

本業の不動産売買にリソースを投入するために不動産管理部門だけ切り分けて売却し、事業整理に成功したのがこの事例です。

(2)不採算事業の立て直しのためのM&A

飲食事業やIT事業、賃貸や不動産管理事業など多角経営に乗り出していた企業が、業績悪化にともなう赤字補填のために高値で売却可能な不動産管理部門を売却した事例があります。この場合、売却収益で基幹事業を立て直すことが目的でしたので、高値で買収してくれるM&A先を希望していました。

紹介した2つの事例に限らず、不動産管理会社はオーナーが焦って安く売りに出すという事はあまりなく、高値で購入してくれるM&A先をじっくり探しているのが特徴です。その理由は、安定収入があるため事業環境が急激に悪化することが少なく、資金繰りの問題や市場環境に左右されることが少ないからです。

安定した収入基盤があり、景気の良し悪しに関わらずに買手がつくからこそ、焦らずに高く売れるタイミングで売却するのが不動産管理会社のM&Aの特徴です。

5.コロナショックや不景気時の不動産管理 M&Aの動向

価値の暴落

不動産管理会社は新型コロナの流行によるコロナショックや不景気時でも安定している業界で、この業界のM&A市場も価格が大きく値崩れすることはありません。むしろ、景気の先行きが不透明な時期だからこそ、安定収入を見込める経営状況にしていきたいと考える経営者にとって不動産管理事業は格好のM&A先であり、今後も不動産管理事業のM&A市場は活況といえるでしょう。

不景気な時期のM&Aの人気企業は確実な収益が見込める業種なので、不動産管理業界まさにその条件に合致しています。不景気になるとM&Aを検討していても成立しないケースが増えてきますが、不動産管理会社であれば、そんな心配もありません。

不動産業界は、2012年以降のM&A事業は伸びつつありましたが、ここにきて需要が急減しており、今から不動産管理会社以外の会社を売却するのは難しくなってきそうです。

不動産管理事業に携わっている場合、大手企業のグループ傘下に入った方がノウハウやシステムなど「儲かる仕組み」を少ないコストで手に入れることができ、効率的に収益を上げる仕組みが入手できます。システム導入によって人件費の削減も可能で、採算ベースに乗る収益体制に改善できます。

不動産管理業界は大手の方がサービスの質が高く、不動産オーナーも代替わりのタイミングでIT導入や効率的な管理体制の構築を考える場合があるため、いつまでも従来型の管理方法では不動産オーナーに管理会社を切り替えられてしまう可能性があります。

現在は安定して人気のある不動産管理業界ですが、5年後や10年後を見こすと不動産管理会社の淘汰進むことも考えられ、出来るだけ早いうちに大手の傘下に入ろうと考える不動産管理会社も増えています。

長期的に見ると不動産管理業界で生き残っていくためには管理戸数を維持する必要があります。しかし、IT化によって効率化やサービス向上が進んでいる現在、よほどのサービスがなければ大手に対抗することは難しく、不動産オーナーに管理先を切り替えられてしまうと一気に経営難に陥る可能性があります。中小規模の管理会社はいかに自分の管理戸数を維持するかと言う守りの経営に入っており、このような会社こそ積極的に大手の傘下に入り、低コストでサービスレベルを上げ、今の管理戸数を守っていく必要があります。

6.まとめ

これまで解説してきたように、不動産管理会社のM&Aニーズは買手が多く、高値での売却実績もあることからM&Aをおこなうのに適した業界であるといえるでしょう。

不動産管理業界は不景気に強いため、今後の社会情勢の変化によってはこれまで以上に注目される可能性もあります。

ただし、長期的には大手の管理会社による業界統合が進んでおり、中小の管理会社ではサービスレベルで大手に太刀打ちすることが難しくなります。これからの不動産管理会社のオーナーに求められるのは、大手の傘下に入って低コストで高いサービスレベルを手に入れるか、経営努力によって収益構造を改善していくか、事業そのものを売却するかという大きく3つの方向性に分かれてきます。

今後の会社経営について考えるうえでM&Aは有効な手段の一つです。必要であれば仲介業者のサポートを受けながら、スムーズに事業承継や事業整理を進めていきましょう。


話者紹介

株式会社M&Aベストパートナーズ

代表取締役副社長 松尾直樹(まつお なおき)

大学在学時、箱根駅伝に2度出場。卒業後、大手証券会社にて富裕層向けのリテール営業を経験した後、大手M&A仲介会社のM&Aキャピタルパートナーズに転職。主に、不動産・建設業界を担当して、事業承継及びM&Aアドバイザリー業務に従事。不動産仲介、管理、ゼネコン、住宅メーカー、設備工事会社等における成約実績を多数有する。2018年、株式会社M&Aベストパートナーズを設立。

 

 

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