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M&Aによるイグジットで得られることは?イグジットの成功事例も紹介

2020/12/30
更新日:2021/02/09

はじめに

現代日本の企業社会においてM&Aが活性化すると同時に、いわゆるM&A用語というビジネス・ワードが頻繁に話題にのぼるようになりました。「イグジット(エグジット)」もその代表格であり「A社がM&AをしてB社を傘下に収めたそうだが、イグジットはどれくらいだったのだろう?」という風に、今やイグジットを知らずしてM&Aを語ることはできないといってもよいほどです。

そこで今回は、M&A全般に詳しく日本のみならず外国との交渉が必要なビジネスでも活躍されている、Seven Rich法律事務所の代表弁護士・弁理士の石原一樹先生にM&Aにおけるイグジットの内容と現状についてお聞きしました。


1.イグジットとは何か

イグジットのイメージ
イグジットとは、ビジネス用語で「会社や事業を売却して利益を得ること」を意味します。日本でイグジットというと「株式譲渡」で利益を得るケースが多いですが、「事業譲渡」による利益もイグジットと表現されます。また、事業承継をスムーズに実行するためにイグジットを目的としてM&Aを行うケースも少なくありません。

2.M&Aによるイグジットの目的

売却益を得るイメージ
自社をM&Aで売却することによってイグジットすなわち売却益を得る目的は、それぞれの企業によって異なります。企業がイグジットを目的とするM&Aを決心するに至る理由について、その代表例を以下に挙げてみましょう。

(1)短期間で多額の金銭を調達

事業を継続しながら売上利益を積み立てていくのが本来の企業のあり方です。しかしながら、さまざまな事由により「まとまった金額を早急に確保したい」というケースが生じた場合、M&Aによって自社の事業を売却し、M&Aで得たイグジットを活用します。

新事業スタートへの時間的余裕がない場合は、利益を積み上げていくよりも、ある程度まとまった利益を得られるイグジットを次の事業展開の資金にあてるというわけです。

(2)会社を売却し別の事業を起業

日本でも「シリアルアントレプレナー(連続起業家)」と呼ばれる経営者が増えてきています。これはひとつの事業が成功すると自社をM&Aにて売却し、そのイグジットを資金として別の事業を立ち上げる実業家を指します。

これまでの日本の企業社会の常識では「ひとつの事業を生涯かけて成長させる」ことが経営者の美学とされていましたが、欧米型のベンチャー企業ではM&Aを有効活用しシリアルアントレプレナーとして成功している実業家が多く実在しています。

日本においても今後さらに、M&Aの活性化によってシリアルアントレプレナーが増えてくるとみてよいでしょう。

(3)事業承継して早期に引退

少子高齢化の日本では、経営者の老齢化による事業承継がうまくいかないケースが少なくありません。事業承継できずに廃業となるならば、次善の策としてM&Aを選択する中小企業が増えており、現時点で日本企業のM&Aは、多くがこのパターンです。

事業承継が成功すれば、売手の経営者はM&Aで得たイグジットを老後の蓄えや投資資金として活用することができます。

3.M&Aによるイグジットで得られることは?

イグジットのメリット・デメリット

M&A・事業承継を検討している方へ

当社では買手企業だけでなく、「M&A仲介会社」とのマッチングも可能です。
今すぐにM&Aをご検討されていなくても大丈夫です。お気軽にご相談ください。


欧米型のいわゆるM&Aビジネスに倣って、日本でもイグジットを積極活用する目的として、今後もM&Aがさらに増え続けることが予想されます。

そこで、M&Aによるイグジットで得られるメリットとデメリットを挙げてみましょう。

(1)イグジットによって得られるメリット

・短期的にまとまった資金が入手できる。
・従来と異なる事業をスタートさせるプランがあれば、いったん事業を整理して次の事業資金に流用できる。
・さまざまな事由により、自社のメンバーで事業を継続するよりも、他企業にまかせた方が事業の発展性が高いと判断できることから、事業承継がスムーズに運ぶ。

(2)イグジットによって起こり得るデメリット

・コストと手続きの手間がそれなりにかかる。
・買手から自社の企業価値を適正に評価してもらえないと、想定よりも安価に買い叩かれてしまう可能性がある。
・よい買手を見つけるのに時間がかかる。
・M&A成立後に、経営陣や社員の処遇などでもめる可能性がある。
・M&A成立後に、買手から契約条件の瑕疵などを理由にクレームが付き、収拾がつかない場合は損害賠償請求をされるなどのリスクがある。

4.M&Aによるイグジットの成功事例

イグジットに成功したイメージ
近年、イグジットが全面的に報道されたM&Aの案件が次々に成立しています。そして、その多くが成功事例とされています。

以下に数例を紹介しましょう。

(1)楽天がフリマアプリのフリルを買収

ここ数年で急成長を遂げているのが、個人同士がスマホで簡単に物品売買ができるフリーマーケット・アプリです。最大手「メルカリ」の後を追っていた「ラクマ」を運営する楽天が「フリマアプリの元祖」といわれるFablicの「フリル」を買収し、大きな話題となりました。

両者のM&Aにおけるイグジットは数十億円ともいわれ、今後さらに成長が見込めるフリマアプリだけに、楽天としてはそれだけの費用をかけても採算がとれるとの目論見があったようです。

(2)DMMが質屋アプリCASHを買収

スマートフォンで手軽に取引できる「質屋アプリ」として知られていた「CASH」を経営するバンクに対し、同社所有の株式全てをインターネット総合事業の業界大手DMM.comが取得する形で傘下に収めています。M&Aでのイグジットは総額70億円にも及ぶ大きな取引といわれ、フリマアプリと同様に、一般人同士が簡単に取引できるこのような形式のアプリが、巨額なイグジット取引を生むM&Aとなり得ることを証明する事例となっています。

(3)DeNAがキュレーション・メディアの「iemo」と「MERY」を買収

プロ野球「横浜ベイスターズ」を95億円で買収したことで一躍全国に社名が知れ渡ったDeNAは、近年注目を浴びているキュレーション・メディア(特定の分野に特化したまとめサイト)である「iemo」(住居関連分野)を運営するiemoと、「MERY」(女性向けファッション分野)を運営するペロリを買収しています。

DeNAが2社のM&Aで拠出したイグジットは総額50億円にものぼるといわれており、同社としてはベイスターズ買収に次ぐ大型M&Aとなっています。

(4)ヤフーが「ZOZOTOWN」を買収、子会社化

2019年9月にヤフーが、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOを買収して子会社化にするというニュースが報道され、M&Aの話題に慣れていた産業界やマスコミからも驚きの声が上がりました。ヤフーとしては、同社にはない流通システムをZOZOが確立させている点が大きな魅力と映ったともいわれています。

一方、しばしばマスコミの話題に上るZOZOの創立者である前澤氏にとっても、ヤフーとのM&Aによって得られる巨額のイグジットは、彼が思い描く新事業展開のために必要な資金となったことでしょう。

(5)買収を繰り返して急成長を遂げたGoogle

海外に目を向けると、90年代後半以降、インターネットの普及とともに急成長した米国の大手ベンチャー企業であるGoogleは、M&Aでのイグジットのメリットを売手にうまく伝え、エンジニア系企業の買収を繰り返して自社を理想的に発展させています。

5.まとめ

イグジットを前面に押し出したM&Aでは、M&A成立後に売手と買手がどうなれば成功と呼べるのか、その判断が難しいといえます。

成功かどうかはイグジットの目的によりますが、買手と売手が描くゴールに向けて、両者ともにより良い状態となったのならば、そのM&Aは成功と判断できるでしょう。

イグジットの意味やメリット・デメリットを正しく理解し、M&Aのタイミングを検討しましょう。

話者紹介

石原一樹さん
Seven Rich法律事務所
代表弁護士・弁理士 石原 一樹(いしはら かずき)

京都大学法学部、神戸大学法科大学院を卒業。弁護士としての道を歩み始め、株式会社コラビットのジェネラルカウンセル、リース株式会社のジェネラルカウンセル、株式会社ココナラの監査役、株式会社ミラティブの監査役など、多数企業の監査やアドバイスを行う立場として活躍中。
Seven Rich法律事務所では代表弁護士を務めており、第二東京弁護士会に所属。法律というツールを武器にして多くの人たちと関わり合い、成長できるような環境を求めて弁護士活動を行っている。

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