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事業承継・M&Aが失敗するのはなぜ?うまくいかない原因と対策について徹底的に解説

はじめに

事業承継・M&Aがうまくいかない、あるいは失敗してしまう要因は様々ですが、その大半は準備不足や売却するタイミングにあります。「できるだけ早いタイミングで事業承継について考え始めることが大切」と語るのは、M&Aコンサルティングを展開する株式会社M&Aコンサルティング代表取締役の松栄遥氏。事業承継の失敗要因、失敗事例、失敗を回避するための対策についてお聞きしました。


1.事業承継の失敗要因

事業承継(M&A)は売手と買手、双方にメリットをもたらしますが、必ずしも成功するとは限りません。事業承継に失敗すると、「事業承継できない」「事業承継できたとしても期待した条件に届かない」「事業承継後に期待したほどの業績が出ない」といったことになります。事業承継に失敗しないためには、後継者問題、経営者自身の問題、資本や組織の問題など、様々な問題をクリアしていく必要があります。

事業承継の失敗要因は様々ですが、ここでは、主な失敗要因として「事業承継を考えるタイミングが遅い」「後継者が決まらない」「条件面のすり合わせがうまくいかない」「PMIがうまくいかない」の4点を取り上げて説明します。

①失敗要因:事業承継を考えるタイミングが遅い

事業承継の時期を見失って廃業を選択せざるを得なかったというケースは多々あります。中小企業のオーナー経営者のなかには、売上を立てる、新しい施策を展開する、事業を拡大するといったことには前向きに取り組めても、事業承継や後継者の育成は後ろ向きと捉える方も多く、その問題を後回しにしがちです。体調の悪化、モチベーションの低下、市場の変化などによって事業が傾き始めた時になってようやく事業承継を考えるケースがほとんどです。

事業が安定的に成長している時であれば、事業承継も比較的スムーズに進みますが、事業が傾き始めた時に事業継承を考え始めていたのでは遅すぎると言わざるを得ません。実際、買手から見ても、傾いている企業には投資しにくいもの。事業承継ができないという訳ではありませんが、右肩上がり、少なくとも横ばい程度のほうが決まりやすいのは確かです。

それに、事業承継を行うには、通常半年から1~2年程度の準備期間が必要で、事業承継を考え始めてすぐに相手が決まる訳ではありません。その意味でも、できるだけ早めに検討し、十分な時間をかけて計画的に進めていく必要があります。十分な時間があれば、事業承継を行う上で発生する様々なリスク、例えば土壌汚染、過去の訴訟、コンプライアンス上の問題など、何かしらの対策を講じて買手に提案できます。
「売りたくない時が一番の売り時」といった表現があります。事業が成長していて自分もまだ頑張れる余力がある時に、早めに事業承継について考え始めることが大切です。

②失敗要因:後継者が決まらない

子どもや社内の役職員に事業を承継したいと考えていても、後継者の育成ができていなかったり、親子間のコミュニケーションが不足していて失敗するケースがあります。

後継者を育成するためには、権限移譲を行い、将来の経営者になるための訓練の機会を与える必要があります。具体的には、人材の採用や資金面も含めて一部門を任せるなどして、経営者自身がいなくても事業が回る状況を作っていかなければなりません。しかし、創業経営者としての自覚から、自分がいなければ会社が回っていかないと考えて、ついつい口を出ししてしまい、結果として後継者を育成できないというケースが見られます。

そもそも、後継者本人に明確な後継の意思を伝えていない、後継者本人の了承を得られていないケースもあります。本人に事業承継の意思がないのであれば、外部からの招聘やM&Aを含めて他の選択肢を考慮することもできますが、コミュニケーション不足のためにお互いに無駄な時間と労力を費やしてしまっていることもあります。

また、適切な後継者がいたとしても、資本の承継ができない場合もあります。社内の役職員に承継する場合、最大の問題となるのが後継者の資力。銀行から借り入れを行い、オーナーの全株式を買えるほど資力のある従業員はそう多くはありません。結果として、第三者の資本、すなわちM&Aを検討する必要が出てきます。経営の承継と共に、資本の承継についてもどの方向で進めるのかを事前に検討しておく必要があります。

③失敗要因:条件面のすり合わせがうまくいかない

売手の希望する譲渡価格が高く、結果として破談してしまうというケースが見られます。経営者のほとんどが同業種の事例を参考に「あの価格で売れるのだから、自分の会社はその半分くらいにはなるだろう」といった具合に思い込みを持っている方も少なくありません。希望通りの譲渡価格で買手が見つかる可能性はゼロではないですが、成約の可能性は一気に下がるでしょう。

だからといって、会社売却をあきらめる必要はありません。当社に相談に来られる経営者の方にお伝えしているのは「希望する譲渡価格に届くような事業計画を立てる」ことの大切さ。事業計画をきちんと立てていない中小企業のオーナー経営者も多くいらっしゃいますが、例えば3年後のM&Aを目標に事業計画を作成して事業を展開していただく。会社の将来像を具体的に「見える化」することで、高値で売れる可能性がぐっと高まります。

④失敗要因:PMIがうまくいかない

PMI(Post Merger Integration)とは、M&A成立後の統合プロセスのことです。オーナー経営者の中には、会社への思い入れが強すぎて、売却後の統合プロセスにおいても過干渉してしまう人がいます。顧問という立場で残って新しい経営陣にアドバイスすることは重要なのですが、限度を超えて口出しすると統合プロセスの混乱を招くだけです。

逆に、オーナー経営者がM&A成立後のことを考えずに退職するケースもありますが、残された従業員や経営陣のことを考慮すると考えものです。せめて、信頼できる相手に売却したので、心配せずに新しい経営陣の下で頑張ってほしいといったメッセージを従業員に伝えましょう。ただでさえ、M&Aが従業員に与える影響力は大きく、妙な噂が立って従業員に不安を残し、従業員が辞めたりすれば、結果としてPMIが失敗に終わる可能性が高まります。従業員が安心して新しいところで働けるかどうか。それがオーナー経営者としての最後の仕事だと思って、自信を持って従業員に伝える必要があります。できればその場に新しい経営者に同席してもらい、どういう会社にしていきたいかを話してもらうと、従業員のモチベーションも高くなるでしょう。


2.事業承継の失敗事例

前述したように、M&Aは成功もあれば失敗もあります。ここでは中小企業のM&Aでよくある失敗事例を紹介します。

①失敗事例:後継者とのコミュニケーション不足

A社のオーナー兼会長は従業員の一人を社長に抜擢し、A社の経営を承継していました。社長は、会長の所有する株式の承継を考えていましたが、会長とのコミュニケーションがうまく取れていない状況が続いていました。株式の承継が一向に進まない状況に対して、社長の中に不信感が芽生えていましたが、そんな社長の思いを知らずに、会長は第三者へのM&Aを検討していました。

M&A仲介会社を入れて具体的に話を進めることになった時に、会長は社長にも同席を求めました。その席で社長は、会長が第三者への資本の承継を希望していることを知り、落胆してしまいました。そして、社長は最後まで自分の思いを伝えることなく、第三者へのM&Aが決まりました。その後、社長は新会社を引っ張っていくモチベーションが低下してしまい、M&A後に会社を退職。新会社は社長不在となり、買手側から新社長を送りこんだのですが、業界での経験不足もあって業績は停滞していきました。

これは会長と社長のコミュニケーション不足によって行き違いになった事例です。会長が社長に対して少しばかり配慮していれば、あるいは社長も自分の本当の気持ちを少しの勇気をもって伝えることができれば、第三者へのM&Aは避けられたのかもしれません。会長と社長という立場から、「経営」について話すことはできても、「財産(株式)のことになると、お互いなかなか言い出せないもの。むしろ、先代の経営者と後継者が身近な存在であるほど言いにくく、譲渡価格の調整は外部の第三者に譲渡する場合と比べてやりにくい面もあります。その場合は、顧問の税理士や会計士、あるいは我々のような専門家を間に入れて、適正な価格を算出して話し合いを進めるとよいでしょう。

②失敗事例:後継者の配偶者からの反対

B社のオーナー経営者が従業員の一人を後継者として順調に育て、経営のみならず資本の承継も行う前提で事業承継を進めていました。その後継者は、銀行からの借り入れを行い、個人補償でオーナーの全株式を買い取る予定でした。ところが、その後継者の奥様の反対にあい資本の承継ができなくなり、やむなく第三者へ資本を承継することになりました。しばらくは新会社で雇われ社長として陣頭指揮をとっていた社長ですが、自らの会社を経営したいとの思いからほどなくして有能な従業員数名を引き連れて退職し、小規模のベンチャー企業を立ち上げました。その後、B社は期待したほどの業績を上げることができず低迷していました。

この事例では後継者が個人補償で銀行借り入れを行う予定だったのですが、個人補償の場合、借り入れをした本人が死亡してしまうとその債務保証は配偶者に回ってくることになります。それを避けたい奥様からの反対にあって、事業承継の話がとん挫してしまいました。できるだけ早い段階で奥様にも事業承継の意向を伝え、会社の成長性について理解してもらっていれば結果が違っていたかもしれません。

③失敗事例:株式の分散

C社は創業80年に及ぶ老舗の和菓子屋。後継者不足に悩まされ、第三者への事業承継を検討していましたが、先代経営者の相続などでC社の株式は分散している状況でした。先代オーナー社長の奥様が株主の一人だったのですが、その奥様は既に亡くなっており、株式はそのご子息たちに分散。社長はそのご子息の所有する株式の買取りを求めたのですが、そもそも自分たちが株式を持っていることも知りませんでした。ほどなくして「その価格では株式は売れない」との回答があり、提示していた価格よりも大幅に高い価格での買取りを求められました。何度かのやりとりの後、最終的に求められた高い価格で株式を買い取ることに承諾することになりました。

株式が分散していると、株主の一人もしくは複数人に株式の買取りを拒否される場合があります。この事例では、株主がそもそも株式を持っていることを知らなかったわけですが、「もっと高い価格で売れるんじゃないか」との悪意が働き、思わぬ出費がかさみました。

できるだけ株式を分散させないことが大切ですが、株式が分散している場合は、株主の生存確認も含めて、株主とすぐに連絡を取れるようにしておく必要があります。また、いざと言う時に株式の買い取りがスムーズにできるように、株主との良好な関係を保っておくことも重要と言えるでしょう。


3.事業承継の失敗を回避するために

事業承継の失敗を回避するためには、前述のように後継者育成、後継者との意思疎通、適正な株式価値評価、株主との良好な関係、着実なPMIの実行など、様々な点に配慮する必要があります。そして何よりも重要なことは、できるだけ早いタイミングで事業承継について考え始めることです。

事業承継のことが少しでも気になったら、顧問の税理士や会計士の先生、あるいは我々のような事業承継の専門家に、できるだけ早い時期に相談してみましょう。相談することで、後継者の選定や育成、経営者としての心構え、事業承継に必要な資料の整理、相手候補の選定、価格等の条件、その他事業承継に向けて不足しているものが具体的に見えてくるようになります。また、事業承継を進める中で障害になることや課題に対して、早期に何らかの手を打つことも可能になります。

実際、我々のところに相談に来られた段階では少し手遅れであるケースが多く、我々としても非常にもどかしい気持ちになります。なかには、一週間後に事業資金が切れるというような切迫した状況で相談に来られる経営者もいます。そうなると、良い条件での事業承継は難しくなりますし、選択肢も限られてしまいます。事業承継についてできるだけ早期に考え始め、早い段階で相談されることを強くおすすめします。

 


話者紹介

株式会社M&Aコンサルティング
代表取締役
松栄 遥(まつえ はるか)

横浜国立大学工学部卒業後、2012年に株式会社キーエンスに入社し、工場内の生産ラインで使用する画像処理センサーのコンサルティング営業に従事。ニーズを精査した「付加価値のある提案」を実践し、常に国内トップクラスの成績を残す(受賞歴多数)。2015年、バンタンデザイン研究所にてクリエイティブを修学の後、2016年に株式会社日本M&Aセンターに転職。役員室所属として、数多くのディールを成約に導き、年間新人賞を受賞する。その後も第一線で活躍し、様々な業種にてM&Aの実績を残す。2019年、日本M&Aセンターの現場で培った知識と経験を武器に、「企業価値を高めて売却を狙う“スケール型M&A”」を実現させるスパイラルコンサルティングを立ち上げ。また、同年、シニア層が抱える“事業承継問題“を解決すべく、「事業承継型M&A」に特化した株式会社M&Aコンサルティングを設立し、代表取締役に就任。

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