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法人&個人事業における廃業年度の確定申告から減価償却の手続きまで徹底解説

2020/03/29
更新日:2024/05/13

はじめに

法人や個人にかかわらず、経営に寿命はつきものです。長い間、経営不振が続き廃業を選ばなければならなくなる経営者もいることでしょう。特に昨今は、後継者不足で経営を断念せざるを得ないケースも少なくありません。

事業承継ではなく廃業を選んだ際には、いくつかの手続きが必要です。会社の経営には詳しい経営者は多いですが、廃業の手続きに関して把握している経営者は、ほとんどいないのではないでしょうか。

そこで今回は、廃業年度の確定申告から減価償却の手続きについて、税理士法人中山会計の常務社員税理士小嶋純一さんに詳しくお話を伺いました。開業時とは異なり、廃業後の手続きは忘れがちな点も多いです。問題が生じることがないようきちんと手続きをすませることが大切です。


1.そもそも廃業とは

小嶋純一さん

廃業というと、経営不振のために止むを得ず経営を諦めるといったケースを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。そもそも廃業というのは、経営者が計画的に自らの会社をたたむことをいいます。実は、経営者が廃業を選択する理由はいくつかあるのです。

黒字であっても、経営者の健康問題を理由に、自主的に廃業を選ぶ経営者は少なくありません。昨今は、後継者不足が深刻な問題となっていますが、後継者が見つからず事業承継できなかったために廃業するケースも増えてきているようです。

廃業とよく間違えられるものに倒産がありますが、倒産というのは、会社の資金が底をつき取引先や従業員への支払いが不可能となり、経営していくことができなくなることをいいます。

また、事業を停止させる休業もあります。休業は、廃業ほど手続きが複雑ではなく、税務署と自治体への届け出のみで完了します。事業を再開する場合は、簡単な書類の提出で再開が可能です。

個人事業における廃業の場合、金融機関に借金が残っていると、一括返済を求められる可能性が高いでしょう。金融機関は、事業をする人に対して貸付をしているのであり、事業をしないのであれば貸付をする理由がなくなるからです。

経営不振のために廃業する場合は、個人の資金もほぼゼロということが考えられます。金融機関に借金が残っていれば、その後の返済はさらに難しくなることが予想されます。自己破産といった結果になれば、金融機関も残りの貸付金の返済は期待できなくなるため、返済について交渉することが可能でしょう。

法人の廃業において、社長が連帯保証人であれば、会社の負債を返済する義務が生じます。多額の負債で返済の見通しが立たない場合、多くの経営者が自己破産という手段を取ります。

しかしながら、昨今は、国の方針により連帯保証人をつけずに借入れができるようになってきており、個人的には、この5年ほど、金融機関の貸付条件が変わってきているように感じます。

連帯保証人でなければ、経営不振で廃業しても、社長がその負債を負担する必要はありません。今までは、一度の失敗で事業を諦めざるを得ない人がほとんどでしたが、このような貸付条件であれば、再度チャレンジすることも可能となるでしょう。

国としても、チャレンジした人がたとえ失敗したとしても、再チャレンジできるような仕組み作りをサポートしています。失敗にもめげず何度もチャレンジしたいという人をサポートすることが、長い目で見れば、経済活性化に欠かせないと感じているのではないでしょうか。

毎年、多くの人が起業しますが、休業や倒産する会社も決して少なくありません。東京商工リサーチによると、この10年あまり、休廃業する会社が増えてきています。経営者の高齢化が進み、事業承継が上手くいかず休廃業を選択しているようです。反対に倒産件数は、この十数年、減少傾向にあります。

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2.廃業する理由とは

それでは、廃業する理由を詳しく見ていきましょう。

(1)後継者がいない

多くの中小企業は、深刻な後継者不足問題を抱えています。すでに引退の年齢に達している高齢の経営者が、まだ働けるという過信から、後継者を育てていないケースが多く見られます。健康を害し慌てて後継者を決めようとしても、親族内や従業員の中に後継者を見つけられず、廃業に追い込まれるケースは少なくありません。また、会社の将来に希望が持てず、あえて事業承継をせずに会社をたたむ経営者もいます。

現在は、身内や従業員に後継者がいない場合、M&Aや事業承継ファンドを活用して事業承継するケースが増えつつあります。事業拡大や新規参入を目指して、始めからこういった形の事業承継を選ぶ経営者も多いようです。

(2)事業承継するための資金が不足している

事業承継するためには、経営権を後継者に引き継がなければなりません。そのためには、多額の資金が必要です。後継者が資金を持っていれば問題はありませんが、通常、そのような多額の資金を持っていることは少ないのではないでしょうか。

金融機関からの借入れなどが上手くいけばよいのですが、資金が確保できなければ廃業とならざるを得ないでしょう。

(3)経営不振のため

廃業を選択する会社で、最も多いのが経営不振によるものです。長い間、業績が悪い状態が続いている場合、その業績を回復させることは容易ではありません。

無理に経営を続けて倒産するより、まだ余力が残っているうちに、従業員や資産を守るために廃業しようと選択する経営者は少なくありません。

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3.法人における廃業の大まかな流れ

男性
法人において廃業するときは、経営者が自ら計画を立てて準備することで、取引先や従業員への影響を最小限にできます。廃業の手続きの流れは、次のとおりです。

法人における廃業は、「解散」と「清算」という2段階の手続きが必要です。まず「解散日」を決め、2週間以内に管轄の法務局で「解散登記」と「清算人の選定登記」を行いましょう。解散手続きを行うと、代表取締役などの登記は抹消されます。その後、代表取締役は、清算人という立場で清算の手続きを行うこととなります。

次に、清算人によって、会社の財産が処分されます。建物や土地など、換金できるものは全て換金し、残った財産は株主に分配して清算結了となります。その後、清算確定申告を行い、管轄の法務局で清算結了登記を行います。最後に、管轄の税務署及び自治体に清算結了の届出を提出して終了です。

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4.個人事業における廃業時のさまざまな手続きについて

個人事業が、廃業を選択する際には、どのような手続きが必要でしょうか。

(1)税務署へ廃業を届け出る

廃業を選択する場合は、1ヶ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を管轄の税務署へ提出しなければなりません。給与を支払っている従業員がいる場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」も提出します。

確定申告も必要です。青色申告を採用している場合、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を廃業年度の翌年3月15日までに提出します。さらに、消費税を支払っている事業所であれば、「事業廃止届出書」も必要でしょう。

また、予定納税の義務がある場合は、「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」を提出することで減額が可能です。提出期限は、第1期と第2期両方の場合は7月1日から15日まで、第2期のみの場合は11月1日から15日までとなっているので忘れないようにしましょう。

該当する提出書類があれば、提出期限までに必ず提出するようにしましょう。
・個人事業の開業・廃業等届出書(廃業後1ヶ月以内)
・給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(廃業後1ヶ月以内)
・所得税の青色申告の取りやめ届出書(廃業年度の翌年3月15日まで)
・事業廃止届出書(提出期限は決まっていないが早めに提出)
・所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書(第1期と第2期の場合は7月1日〜15日まで、第2期のみの場合は11月1日〜15日まで)

(2)都道府県税事務所へ届け出る

個人事業を廃業する場合は、お住まいの都道府県税事務所に「個人事業廃業届出書」の提出も必要です。これは、税務署への手続きとは別に必要なので忘れずに提出しましょう。この届出書の名称と提出期限は、各都道府県によって異なります。お住まいの都道府県税事務所で事前に確認をして、手続きを行います。

(3)さまざまな「もの」を処分する

事業で使用していた「もの」を処分します。たとえば飲食店であれば、テーブルや厨房機器などが考えられるでしょう。業者に買い取ってもらったり、また欲しい人を募って売ったりして処分します。もちろん、事業後にプライベートで使いたい場合は、そのまま使用しても構いません。

5.法人&個人事業における廃業年度の確定申告について

確定申告書とPC


ここでは、廃業年度の確定申告について詳しく説明します。

(1)廃業後の確定申告は必要?

事業年度の途中で廃業した場合は、廃業した年度の所得が黒字であれば、通常どおり確定申告が必要です。税額を計算して確認しましょう。

赤字廃業したときの確定申告は、税務上の所得がプラスかどうかによって要否が決まります。所得がマイナスのときは、確定申告の必要はありません。

ただし、会計上の利益と税務上の所得は算出方法が異なるため、会計上は赤字でも税務上の所得が黒字ということもあり得るので注意が必要です。税務上が黒字であれば、確定申告をしなければなりません。

(2)廃業年度の確定申告の期限は?

廃業年度の確定申告の期限について、法人と個人事業、それぞれについて説明します。

①個人事業の確定申告期限

先述したとおり、個人事業の確定申告期限は、通常どおり翌年の2月16日から3月15日の間です。廃業した後であっても確定申告を怠ると、加算税等のペナルティが課せられる場合があるので注意しましょう。

②法人の確定申告期限

法人の場合は、個人事業とは異なります。廃業を選択した場合は、解散日を決め会社の解散登記の手続き等をする必要があります。通常の確定申告と同様の方法で、解散事業年度(事業年度開始日から解散日まで)の確定申告を行いましょう。期限は、解散日から2ヶ月以内なので、忘れずに申告することが大切です。

なお、法人の廃業には時間がかかることも考えられます。解散日以降も会社の廃業が完了するまでは、1年ごとに確定申告が必要なので覚えておきましょう。

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6.廃業年度の確定申告で利用できる特例とは

廃業後も確定申告をしなければならない場合、利用できる特例がいくつかあるので、ぜひ利用しましょう。

(1)廃業後の費用も計上できる

個人事業の場合、廃業等届出書を税務署に提出することで廃業とみなされます。しかし、この手続きの後から確定申告までの間に、経費が発生することも考えられるでしょう。

設備を処分したり、オフィスの清掃や粗大ゴミを廃棄したりするために、費用がかかることは充分あり得ます。税法上では、廃業の手続きをした後も、これらの費用を経費として計上することが認められています。

この特例を「事業を廃止した場合の必要経費の特例」といいます。次に、この特例の対象者や対象費用について詳しく説明していきます。

(2)「事業を廃止した場合の必要経費の特例」について

この特例の対象者や対象費用は、次のとおりとなっています。対象になるかどうかの参考にしてください。

①「事業を廃止した場合の必要経費の特例」の対象者とは

まず、製造業や卸売業などの事業所得を得ていた個人事業主は、「事業を廃止した場合の必要経費の特例」の対象者です。また、山林所得や不動産所得がある個人事業主も対象者となるので、いずれかの個人事業主はぜひ活用しましょう。

②「事業を廃止した場合の必要経費の特例」の対象費用とは

対象費用となる条件は、事業所得や山林所得、不動産所得に関わる事業で生じる費用のうち、経費として計上するものです。

(3)個人事業税を納税するときの注意点

個人事業税を支払っている場合は、通常、その税は必要経費として計上されます。個人事業税は地方税の一つであり、住民税と同様に前年所得額をベースに算出されます。しかし、廃業年度の個人事業税は、廃業日までの見込み額を予測して納税するので注意が必要です。

たとえば、年度途中の6月30日に廃業したと仮定すると、個人事業税については、7月31日までに申告・納税しなければなりません。しかしながら、この時点でいくらの個人事業税がかかるのか正確な税額を算出することは不可能です。そこで例年の個人事業税から予測し、見込み額を申告・納税するといった流れとなります。

このように手続きをすることで、翌年の確定申告の際に費用として計上することが可能となります。個人事業税の取り扱いには、タイムラグに気をつけましょう。

法人&個人事業における廃業年度の確定申告から減価償却の手続きまで徹底解説

7.廃業年度の確定申告における減価償却について

硬貨
それでは、年度途中で廃業した場合、減価償却をどのように処理すべきでしょうか。ここでは、廃業した際の減価償却の処理の仕方について解説します。

(1)減価償却とは

会計処理をするときに大切となるのが、減価償却です。ルールが複雑で、理解するのが難しいと感じる人も多いことでしょう。

減価償却とは、使い続けることで価値が減少する固定資産を取得したときに、購入金額を一度に経費として計上するのではなく、定額法や定率法といった算出方法で減価償却額を算出し、ある一定期間に渡って経費を計上することをいいます。土地のように、時間の経過や使用により価値が減少しないものは、減価償却資産にはあたりません。

(2)廃業年度の減価償却について

廃業年度の減価償却は、廃業する場合の確定申告時に、1月1日から廃業する月までの分を経費として計上します。たとえば、4月30日(1年の1/3の期間だけ事業をおこなったとします)を廃業日とすると、1年分の減価償却費を3で割った金額を経費として計上するということです。

(3)未償却分の減価償却について

廃業年度の確定申告までに、全ての減価償却費を計上できないことも考えられます。この未償却分は、該当の固定資産をどのように取り扱うのかによって、会計上の処理は異なります。

この固定資産を廃棄する場合は、未償却分は「固定資産除却損」として処理することになっています。すなわち、確定申告時に損失として計上するということです。

次に、固定資産を売却する場合は、未償却分を譲渡所得の取得費として計上します。売却益の金額によっては、税金が発生することもあるので注意しましょう。

最後に、引き続き個人が利用し続ける場合は、特別な会計処理は必要ありません。確定申告にも、何ら影響はありません。

法人&個人事業における廃業年度の確定申告から減価償却の手続きまで徹底解説

8.廃業年度の確定申告における在庫処理について

前年度に資産として計上した在庫については、廃業年度の確定申告をするときには、費用として計上することになります。
在庫の転売もひとつの処分方法ですが、転売などで売却益が発生すると、売上高として計上することになるので注意しましょう。

確定申告における在庫の処理は、廃業後に在庫をどのように扱うかによってケース・バイ・ケースといえるでしょう。

9.まとめ

書類
会社の経営者が廃業を選ぶ場合、さまざまな理由が考えられます。特に昨今は、黒字にもかかわらず、後継者が見つからないという理由から、廃業を選択せざるを得ない会社も増えてきています。

廃業を選択した場合は、管轄の法務局や税務署でいくつかの手続きが必要です。開業とは違って、廃業の際には手続きが疎かになりがちなので、最後まできちんと手続きをすませることが大事です。

廃業年度は、確定申告の手続きも異なる場合があるので注意しましょう。確定申告をする際に、減価償却や在庫の処理方法についてわからないことがあれば、事前に税理士もしくは税務署に確認することをおすすめします。

話者紹介

小嶋純一さん
税理士法人中山会計
常務社員税理士 小嶋 純一(こじま じゅんいち )

横浜国立大学卒業後、税理士法人中山会計にて常務社員税理士を務める。相談しやすさNo.1を体現する税理士として、自社の経営の実践並びにお客様の経営のサポートを兼務。M&Aスペシャリスト及びM&Aシニアエキスパートの資格を有し、事業承継の出口をサポートするコンサルティングを15年来推進。保険会社・銀行・商工会議所・各士業等とのタイアップによるセミナーなどで講演を全国にて多数行い、身近な相談窓口として活動中。

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